ダルアー県では、SANA(7月6日付)によると、ロシア軍代表団とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室による交渉の結果、UNESCO世界文化遺産を擁するブスラー・シャーム市一帯で活動を続けてきた反体制武装集団が、シリア政府との停戦・和解合意に応じた。
停戦・和解合意は、戦闘停止、重火器・中火器の引き渡し、残留を希望する戦闘員の免罪、退去を希望する戦闘員とその家族のイドリブ県への退去、対ヨルダン国境地帯の監視所のシリア政府への引き渡しなどを骨子とするという。
また、ロシア国防省も7日、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターの仲介により、シリア政府とダルアー県の武装集団が停戦に合意したと発表した。
声明によると、停戦合意は、①停戦の実施、武装集団の支配下にあった居住地域に配備されていた重火器・中火器の引き渡し、②和解を拒否する戦闘員とその家族のイドリブ県への退去、③居住地域におけるシリア政府の行政機関の復活、などを骨子とする。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月6日付)によると、停戦・和解合意は、①即時停戦、②ロシア軍憲兵隊の国境地帯への展開、③シリア軍と「イランの民兵」のムサイフラ町、キヒール村、ジーザ町、サフワ村からの撤退、④ロシア側への反体制武装集団の重火器の引き渡し、⑤退去希望者の退去、を骨子とするという。
また、『ハヤート』(7月7日付)によると、このほか、仲介者となったヨルダンの要請として、避難民の帰還が盛り込まれたという。
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これを受け、シリア軍消息筋は、ヨルダンとの国境に面するナスィーブ国境通行所にシリア国旗を掲揚したと発表した。
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一方、南部中央作戦司令室は、停戦合意を受けて声明を出し、「合意は尊厳、自由、威厳、栄光が南部の血によって流されるのを回避するために不可欠だった」としたうえで、受諾が苦汁の決断だったことを明らかにした。
AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。
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