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米国、西欧諸国、アラブ諸国、オーストラリア、日本など40カ国は、法律第10号への正式な抗議文書を国連安保理議長と事務総長に提出(2018年7月21日)

トルコとドイツは、米国、西欧諸国、アラブ諸国、オーストラリア、日本など40カ国以上を代表して、国連安保理議長と国連事務総長宛に法律第10号への正式な抗議文書を提出した。

抗議文書は、法律第10号が、シリア難民の財産没収を認める内容で、それが現実のものとなれば難民帰還の機会が奪われると警鐘を鳴らしている。

4月2日に施行された法律第10号(都市再開発法)は、開発地域内の私有地を接収し、同地域での新規プロジェクトにかかる収益の一部を配当金として所有者に支払い、補償を行うことなどを定めている。

同法では、シリア政府による開発地域設定後、1ヶ月以内に当局が域内の土地所有者に配当金補償についての告知を行い、これを受諾した所有者は配当金を受け取る一方、この申し出を拒否する所有者は30日以内に土地の所有権を証明する必要がある。

なお、ワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣は6月2日の記者会見で、シリア政府による開発地域設定後、譲渡を希望しない所有者は、30日以内に土地の所有権を証明するとした規定に関して、「猶予期間を修正し、1年とした」ことを明らかにした。

AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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