ロシア国防省は、国外難民と国内避難民の帰還を支援するための外務省との合同調整センターの会合がモスクワで開催されたと発表した。
会合はミハエル・ミズィンツェヴ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が議長を務めた。
会合でのミズィンツェヴ上級大将の報告内容の骨子は以下の通り:
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合同調整センターは、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)などの国際機関との連携のもと、シリア、レバノン、ヨルダン、トルコでの難民・避難民の帰還の手順に関する提案を先週行った。
その際、国連、UNHCRによって提示され、ほとんどの西側諸国が支持している帰還にかかる以下の基本原則をロシアは承認した。
1. 自発的帰還
2. 帰還者の安全の保障
3. 帰還者の不動産所有権の承認
4. 帰還者のシリアでの非訴追
5. 外国で発効された身分証の承認
6. 恩赦の保証
7. 人道機関の帰還者への円滑なアクセス
これらの基本原則に関してシリア政府も理解を示した。
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一部の諸外国は、ほとんどの場合、国際機関や支援国からの援助の獲得や、シリア難民の安価な労働力としての利用といった政治的な口実で、帰還を妨げるような妨害を行っている。
こうしたことを踏まえて、合同調整センターは難民帰還にマイナスに作用する傾向を監視することを優先事項とし、以下3点を主要な目的としている。
1. 国際レベルでの連絡の促進
2. 現下のすべての問題に取り組むための支援
3. 戦時下のシリアが直面する複雑な社会・政治・経済・人道問題に取り組むシリア政府への支援
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シリア大統領は合同調整センターの設置、難民受入移送居住センターの活動を完全に承認している。
シリアの地元当局も帰還者にとって有利な条件を作り出そうと活動しており、この動きに対応するため、ロシア政府は難民受入移送居住センター支部をダイル・ザウル市サーリヒーヤ地区(ダイル・ザウル県)、バーニヤース港(タルトゥース県)、ダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県)に新設した。
また、レバノンとの国境にもセンターの支部を4カ所設置済みで、レバノン政府はシリア難民帰還を積極支援している。
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ヨルダンも、アイマン・サファディー外務大臣がこの問題での協力する意思を示しており、シリアの関係機関と直接連絡をとり合うための合同作業本部設置に向けて、ロシア、米国とともに動いている。
エジプト政府も難民帰還に向けた仲介を行っている。
トルコ政府は、シリア情勢への対応を協議するためのロシア、ドイツ、フランスとの四カ国首脳会議を9月7日に開催すると発表した。
トルコ外務省、軍、情報機関は、シリア難民の帰還に反対はしていないが、難民の安全や生活条件が保証されない限りは帰国させられないとの姿勢を取っている。
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在ダマスカスのロシア大使館はシリアの外務在外居住者省とともに、難民帰還に向けたハンドブックを作成している。
また、在アンカラおよび在アンマンのロシア大使館も、トルコ、ヨルダン両政府に難民帰還を促すための措置を講じるよう働きかけている。
とりわけ、在アンマンのロシア大使館は、ルクバーン難民キャンプへの人道支援問題にかかる米国との協議にヨルダンも関与させようと検討中である。
一方、在アンカラのロシア大使館は、アブー・ズフール町の通行所を通じた難民帰国に向けた態勢作りに向けてトルコの関係当局との協力関係構築をめざしている。
Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2018をもとに作成。
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