Categories: 諸外国の動き

デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はシリア軍によるイドリブ県制圧を事実上容認:「私は戦闘が終わり次第、人々が自分達のいた場所に戻れるよう保証したい」(2018年8月30日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、スイスのジュネーブでの記者会見で、「米国はヌスラ戦線(シャーム解放機構)とダーイシュ(イスラーム国)のテロリスト約1万人がイドリブ県におり、彼らを敗北させる必要があると考えている」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, August 30, 2018

デミストゥラ特使は「イドリブ県は緊張緩和地帯の枠組みのなかで合意・維持されている最後の地域となった。その他の地域から退去させられてきた民間人数百人にとって最後の避難場所であり、ここ以外にもう避難場所はない…。軍事攻撃は真の悲劇をもたらすだろう」としたうえで、「ヌスラ戦線は化学兵器を持っている可能性はあるし、シリア政府も同じだ…。予想される戦闘で化学兵器の使用が回避されねばならない」と強調した。

デミストゥラ特使はそのうえで「私は今一度用意ができている…個人として、そして私自身が身をもって、シリア政府と協力し…、臨時の(人道回廊)を確保し、戦闘が終わり次第、人々が自分達のいた場所に戻れるよう保証したい」と付言した。

『ハヤート』(8月31日付)などが伝えた。

AFP, August 30, 2018、ANHA, August 30, 2018、AP, August 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2018、al-Hayat, August 31, 2018、Reuters, August 30, 2018、SANA, August 30, 2018、UPI, August 30, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts