アシュラフ・リーフィー法務大臣は声明を出し、シリア軍によるヤブルード市(ダマスカス郊外県)完全制圧に関して「幻想の勝利」と非難、戦勝を祝う一部のヒズブッラーの支持者に自重するよう求めた。
リーフィー法務大臣は「ヤブルード市での出来事など…シリアでの一連の事件、そしてアルサール村への越境避難をめぐって、レバノンを危険に曝すようなシリア情勢への介入を拒否すると繰り返し警告している」としたうえで、「国家機関(内閣)における我々の最優先課題はヒズブッラーにシリアからの撤退を要求することだ」と述べた。
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NNA(3月16日付)によると、シリア軍の戦闘機が、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、シリア領内から逃走する反体制武装集団を複数回にわたって空爆した。
LBCI(3月16日付)によると、シリア軍によるヤブルード市制圧を受け、約1,000人の戦闘員がアルサール地方に入り、これを受けレバノン軍がアルサール村・ラブワ村街道を閉鎖するなど、同地で厳戒態勢を敷いた。
またNNA(3月16日付)は、ベカーア県バアルベック郡ライヤーン渓谷の検問所を突破しようとした車輌にレバノン軍が発砲したと伝えるとともに、アルサール村で軍が武器弾薬を所持していたシリア人グループを摘発したと報じた。
これに関連して、複数の反体制筋は『ハヤート』(3月17日付)に対し、ヤブルード市陥落に先だって未明に、「複数の民間人がレバノン領内に避難した」と述べた。
また、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のバクル・フジャイリー村長はAFP(3月16日付)に、対シリア国境地域に少なくとも4回にわたってシリア軍が攻撃を行ったと述べた。
しかし、アサド政権に批判的なフジャイリー村長は、シリア領(ヤブルード市)から敗走する反体制武装集団がアルサール地方に入ったとの情報を否定し、シリア政府がレバノンに爆弾を積んだ車を送り込むことで、レバノンの安定を揺るがそうとしていると断じた。
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AFP(3月16日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ナビー・シート村で、爆弾を仕掛けた車が自爆し、4人が死亡した。
ジャディード(3月16日付)によると、犠牲者のなかにはヒズブッラー幹部が含まれている模様。
クッルナー・シュラカー(3月17日付)によると、死亡したヒズブッラー高官はアブドゥッラフマーン・カーディー氏だという。
この自爆テロに関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団を名乗る集団がツイッターで「ヒズブ・ラート(ヒズブッラー)が無謀な振る舞いを続け、アルサール住民に嫌がらせをするのなら、レバノン国内で大量殺戮を行うと我々は警告した」とする声明を出し、犯行を認めた。
またシャームの民のヌスラ戦線もツイッターで声明を出し、犯行を認める一方、「バアルベック・スンナ派自由人なる(ツイッターの)アカウントは、ウソと中傷に根ざした諜報アカウントに過ぎない」とバアルベック・スンナ派自由人旅団を非難した。
AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、al-Jadid TV, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、March 17, 2014、LBCI, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。
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