アレッポ県では、ANHA(10月5日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、カフル・ハラブ村にあるヌールッディーン・ザンキー運動の拠点複数カ所を襲撃し、戦闘となった。
この戦闘で、子供複数人を含む村人多数が巻き添えなり、死傷した。
ヌールッディーン・ザンキー運動は、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」で、シャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)とともにシャーム解放機構を結成したが、その後離反、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動とともにシリア解放戦線を結成、現在はトルコが支援する国民解放戦線に所属している。
**
この戦闘に関して、ドゥラル・シャーミーヤ(10月5日付)は、カフル・ハラブ村の消息筋の話として、シャーム解放機構の攻撃は、シリア政府との和解を主唱する住民を粛清するために行われたと伝えた。
同消息筋によると、シャーム解放機構はカフル・ハラブ村で住民やヌールッディーン・ザンキー運動のメンバーを摘発しようとしたところを、ヌールッディーン・ザンキー運動が発砲するなどして抵抗し、戦闘に発展したという。
これに対して、拘束された住民の身内らがデモを行い、シャーム解放機構に住民の釈放を求めたが、シャーム解放機構はデモ参加者に発砲し、強制排除したという。
**
その後、シャーム解放機構とカフル・ハラブ村の住民は共同声明を出し、対立を収束させることで合意したと発表した。
声明によると、5日早朝に、窃盗・拉致・麻薬売買に関与してきたカフル・ハラブ村の住民(そのほとんどがアッサーフ家)の一斉摘発がシャーム解放機構によって行われ、その多くが逮捕されたが、一部が住民を人間の盾にして逃走を試み、戦闘によって多数が死傷したという。
その後、住民の要望によって、村の名士や地元評議会メンバーが、犯罪者をアターリブ市に移送し、彼らが村に戻ることを禁じることを条件に、捕捉中のシャーム解放機構メンバーの身柄を解放することなどを決定し、シャーム解放機構との間に停戦合意を交わしたという。
AFP, October 5, 2018、ANHA, October 5, 2018、AP, October 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 5, 2018、al-Hayat, October 6, 2018、Reuters, October 5, 2018、SANA, October 5, 2018、UPI, October 5, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ナハールネット(11月24日付…
イスラエル軍は午前11時36分…
イドリブ県では、テレグラムの「…
ハサカ県、シリア人権監視団によ…