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AKI(11月8日付)は、シリアの複数のアッシリア教徒消息筋の話として、アッシリア教徒内で「政権打倒」のスローガンをめぐって鋭い意見の対立が発生していると報じた。
それによると、シリアの複数のアッシリア教徒やアッシリア系組織がいかなる犠牲を払ってでもこのスローガンに反対し、混乱をもたらす政権打倒に与するべきでないとの姿勢を取っているという。
複数の消息筋によると、「シリアのアッシリア教徒は、自身がマイノリティであることや、文化的社会的特殊性を踏まえて、体制打倒ではなく、どんなに時間がかかろうとも平和的な政権移行を支持するようになっている」という。
これに関してマイノリティ問題を研究するスライマーン・ユースフ氏は、「シリアのアッシリア政党が統合に失敗したことは疑う余地がない」との評価を下した。
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国家建設潮流はダマスカスで記者会見を行い、その場で声明を発表、アサド政権とアラブ連盟の合意を具体的に実施するための行程表を設置すべく、国民対話大会開催の準備を始めたと宣言した。
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シリア革命総合委員会は声明を出し、シリア国民評議会への支持を表明する一方で、「一部の反体制勢力が革命運動の限度を超えようとしている」と非難し、国民民主諸勢力国民調整委員会など国内の反体制勢力が、自らを国内の唯一の反体制勢力だと主張し、アラブ連盟のアラビー事務総長と会談することが、「限度を越えた動き」と非難した。
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3月15日の反体制運動当初より活動し、これまでに2度逮捕された女性活動家のムルーワ・グムヤーン氏はフェイスブックを通じて声明を出し、11月10日付で国民民主諸勢力国民調整委員会を脱退すると発表した。
同声明によると、国民民主諸勢力国民調整委員会への参加(中央委員会メンバーへの選出)に同意したのは、自ら立候補したためではなく、シリアの反体制勢力の統一をめざすという立場に基づいていた、という。
また同声明で、グムヤーン氏は、それゆえ参加後ほとなくして委員会を脱退していたが、9月30日に逮捕された際、ムハーバラートへの協力を条件に釈放され、委員会と協力することを求められていたことを明らかにした。
そして、10月8日の委員会会合での閉幕声明を読み上げたもの、記者会見の席上から脱出したと暴露した。
そのうえで、グムヤーン氏は、国民調整委員会がムハーバラート、治安機関としての側面を持っていると批判した。
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シリアの公式筋によると、シリア軍は11月8日、暗視装置を備えたレーザー誘導短距離ロケット弾のランチャー341機の解体をヒムス県、ハマー県で完了した。
またこの解体と並行して、軍・治安部隊は自由シリア軍に属すとされるファールーク大隊(離反兵)の約80%を拘束した、という。
http://all4syria.info/web/wp-content/uploads/2011/11/ww.mp4.mp4
Reuters(11月8日付)は、ダニエル・グラザー米財務次官補のレバノン、ヨルダン、ロシア訪問に関して、アサド政権要人らへの西側諸国の制裁を回避するために行われている資金洗浄への対策を強化するためであると報じた。
信頼できる複数の消息筋の話として伝えたところによると、制裁対象となっているラーミー・マフルーフ氏とその父親のムハンマド・マフルーフ氏はラーミー氏の妻の兄弟のワリード・ウスマーン在ルーマニアシリア大使と彼を補佐するファウワーズ・ザナク氏、ラーミー氏の母方のおじのガッサーン・マフナー氏(制裁対象となっているニザール・アスアド氏のビジネス・パートナー)を通じて資金洗浄を行っている。
またムハンマド・ナースィーフ副大統領補は、ビジネスマンのM.Q.氏が資金洗浄を行っている。
ムハンマド・ハムシュー氏は、妻の兄弟のフィラース・ラスラーン氏名義で湾岸諸国で設立された企業を通じて資金洗浄を行っている。
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SANA(11月8日付)は、ムハンマド・シャッアール内務大臣は、ヒムス県、ハマー県、ラタキア県など警察幹部を召集し、シリアの治安と安全の維持のために厳格に任務を遂行するよう通達したと報じた。
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SANA(11月8日付)は、クルド人が多く居住するハサカ県ラアス・アイン地域のザフル・アラブ村で、アサド政権の改革支持と外国の干渉拒否を訴える集会を行ったと報じた。
ヒムス県では、軍・治安部隊が、ヒムス市バーブ・アムル地区などで引き続き治安回復作戦を行った。シリア人権監視団によると、これにより2人が殺害された。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、離反兵と思われる武装集団が、マアッラト・ヌウマーン市南部で軍・治安部隊が要撃を受け、8人が死亡した。
また同市では、シリア人権監視団によると、治安部隊の発砲で重傷を負っていた市民1人が死亡した。
一方、SANA(11月8日付)は、武装テロ集団がカフルタハーリーム村の警察署などを襲撃し、器物を破壊したと報じた。またサラーキブ市近くで、武装集団が灯油や燃料を輸送する貨物車を襲撃したと報じた。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアサド医療センター、競技場南部、ハーディル地区、マザーリブ地区などで、軍・治安部隊と離反兵が「激しい戦闘」を行った。
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シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が厳戒態勢を敷くなか、イドリブ、ヒムス、ハマー、ダルアー、ダマスカスで反体制デモが夜間に行われた。
またラタキア市、ダマスカス郊外県各都市、スワイダー県ハウラーン地方では数十人の反体制運動参加者が逮捕した。
レバノンの自由国民潮流のミシェル・アウン代表はシリアの危機は終わったと述べた。
記者会見で、アウン代表は「来週の火曜日に、シリアの危機は続いているかと私に聞くのだろう。だが私はそれがもう終わったと考えている」と述べた。
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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は『シャルク・アウワト』(11月8日付)の取材に対して、アラブ連盟のイニシアチブは「死んだと思う。だがこのことは努力を継続する必要がないという意味ではない」と述べた。
また同外務大臣は「バッシャール・アサドの発言を信頼できる余地はもはやないと思う」と断じた。
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SANA(11月8日付)は、ロシア外務省が「国外の反体制勢力がアラブ連盟が提案した「ダマスカスでの」対話に参加することを断固として拒否したことに懸念を表明した」と報じた。
Akhbar al-Sharq, November 8, 2011, November 9, 2011, November 10, 2011、AFP, November 8, 2011、AKI, November 8, 2011、Facebook、al-Hayat, November 9, 2011、Kull-na Shuraka’, November 8, 2011, November 9, 2011, November 11, 2011、Naharnet, November 8, 2011、Reuters, November 8, 2011、SANA, November 8, 2011、al-Sharq al-Awsat, November 8, 2011などをもとに作成。
写真はKull-na Shuraka’, November 9, 2011、SANA, November 8, 2011。
(C)青山弘之All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
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