アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は前日に引き続き、ジュネーブの国連本部でシリア革命反体制勢力国民連立代表団、シリア政府代表団と早朝に個別会合を開き、また午前中に直接会合を開催し、逮捕者釈放、人道支援物資搬入、拉致による失踪者の捜索などが議論された。
直接会談は前日に引き続き、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使がシリア政府代表団を、ハーディー・バフラ氏がシリア革命反体制勢力国民連立代表団を率い、約2時間にわたって行われた。
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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、ヒムス市での部分停戦と人道支援物資搬入をめぐる協議に関して「シリア政府は女性と子供であれば直ちに退去できる旨伝えてきた…。部分停戦が明日開始され、女性と子供がヒムス市旧市街から退去できる見込みだ」と述べた。
また「明日、人道支援物資を積んだ車輌がヒムスに入ることを希望している…。ヒムス市の武装集団が車輌を攻撃しないと我々や複数の当事者に伝えてきた」と付言した。
そのうえで直接会談に関して「互いを尊重する」姿勢が見受けられたと高く評価した。
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『ハヤート』(1月27日付)などによると、連立代表団は、シリア政府の刑務所に収監されている女性および子供の逮捕者2,300人の名簿をブラーヒーミー共同特別代表に提出、それ以外の逮捕者に先立って「即時釈放」するよう求めた。
これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立のウバイダ・ナッハース氏は、『ハヤート』(1月27日付)に、連立代表団が女性、子供を含む数万人の釈放を要求したことを明らかにしたうえで、「政府がこの問題に「敵意」をもって対処し、「テロとの戦い」に集中しようとしている」と非難、「交渉の会場の外で国際社会が圧力をかけ、シリア政府に人道的な問題に対処するよう」呼びかけた。
また「政府代表団には決定を下す十分な権限がないことを理解している。それゆえ、この要求をダマスカスに持ち帰り、答えを持ってくるよう求めた」ことを明らかにした。
一方、拉致をめぐる問題に関して「政府使節団は、拉致された人々を捜索準備ができており、拉致犯と理解し合う可能性があるなら…可能だと言っている」ことを明らかにした。
さらに、ヒムス市での人道支援配給に関して、「ダマスカスで物資を積んだトラック12輌が待機しているが、ヒムスには今のところ人道支援物資は入っていない…。しかし、ブラーヒーミー共同特別代表は、今日か明日には搬入したいとの希望を伝えてきた」と述べた。
他方、移行期統治機関(移行期政府)に関しては、27日から協議が始まることを明らかにした。
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SANA(1月26日付)によると、これに対して、シリア政府代表団は、人道支援物資搬入をめぐる問題がジュネーブ2会議の議事とは無関係で、国家(シリア政府)と国連との合意に関わる問題だと指摘し、シリア政府が、人道支援に関していかなる差別も行わず、ヒムス市だけでなく、アドラー市ウンマーリーヤ地区(ダマスカス郊外県)、ファウワ村(イドリブ県)、ヌッブル市(アレッポ県)、ザフラー町(アレッポ県)などに対しても支援物資を配給する用意があると伝えたという。
そのうえで、政府代表団が、部分停戦、人道支援をめぐる協議で、連立使節団に、シリア各地を支配しているどの武装集団に対して連立の権威が及んでいるのかを明らかにするよう求めたが、連立代表団は何も示すことができず、「武装集団に対して何らの権威も有さず、連絡経路があるだけだ」と答えたという。
またブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はAFP(1月26日付)に「すべてがその日その日に行われている。日程は存在しない」としたうえで、「問題は先方が昨日(25日)の会合で、些細なことばかりに議論を集中させようとしたことにある。シリア政府には、すべての県でいつでもこのテロでの被災者を救済するための完全な装置がある…。支援物資の搬入は重要だが、このことに終始すると、大会そのものも、そしてその目的の重要性が失われてしまう…。テロ停止、深刻な人道状況への対処、支援搬入、治安状況改善、政治プロセス開始(という順で進められねばならない)」と述べた。
移行期統治機関(移行期政府)については、「この表現だけでなく、シリアが卑劣なテロに苦しんでいる…なかでこの問題が提起されていることに慎重な姿勢を示している…。ジュネーブ合意には、暴力停止について言及されているが、今日行われているのは、暴力ではなくテロです」と述べた。
一方、シリア革命反体制勢力国民連立代表団との交渉に関して「緊張はない…。バッシャール・ジャアファリー駐国連大使が、テロ停止を求める国民の意思に沿うよう建設的な雰囲気作りに尽力している」と述べた。
またウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブで記者団に対して、移行期統治機関(移行期政府)の審議について、「困惑してはいない」としたうえで、すべての問題に「胸襟を開いている」ことを強調しつつ、「人道支援問題はシリア政府の優先事項の一つだが、我々は搬入方法に関して現実的でなければならない…。この問題は治安措置によって可能になる第2の措置だからだ」と強調した。
他方、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は記者会見で、ヒムス市での部分停戦に関して、反体制武装集団が道を開放すれば、女性と子供がヒムス市を去ることを認める、と述べた。
また「過去2年間、私は女性と子供を退去させることに直接関心があった。しかし武装集団が我々を阻止し、いかなる人が退去することも認めてこなかった…。シリア政府は必要なすべての場所に支援物資を届けてきた。しかし、二つの要素に阻まれてきた。第1にテロリスト、第2に人道支援の搬入を許すような雰囲気の欠如…。我々は先月だけで、各地に400万箱の支援を届けた」と述べた。
しかし、ミクダード副大臣は「ジュネーブ2会議で議論しなければならない最初の問題はテロに関する問題であり…、シリア国民がテロの危険に曝されている限り、シリアの現在そして未来に関わる人道的問題の審議は継続できない」と強調した。
SANA(1月26日付)などが伝えた。
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UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)は、予定していたダマスカス県ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)への脱脂粉乳、ポリオワクチンなどの人道支援物資の搬入ができなかったと発表し、シリア政府への「失望」を表明した。
『ハヤート』(1月27日付)などが伝えた。
AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。
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