ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月22日付)を公開し、11月21日に難民765人が新たに帰国したと発表した。
このうちレバノンから帰国したのは186人(うち女性55人、子供95人)、ヨルダンから帰国したのは579人(うち女性173人、子供295人)。
これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は45,686人となった。
内訳は、レバノンからの帰国者25,837人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者19,849人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 274,966人(うち女性82,485人、子供140,149人)となった。
なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。
一方、国内避難民240人が新たに帰宅した。
うち東グータ地方に帰宅したのは32人(うち女性12人、子供8人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは210人(うち女性68人、子供109人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。
これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は168,603人(うち女性51,308人、子供84,837人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,250,965人(うち女性376,306人、子供637,220人)となった。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県1件、ダイル・ザウル県2件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームも5件の停戦違反(アレッポ県2件、イドリブ県3件)を確認した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, November 22, 2018をもとに作成。
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スプートニク・ニュース(11月22日付)は、「テロ組織」に近い複数の消息筋の情報として伝えたところによると、フランス人専門家複数人が最近、「型番不明」のミサイルを改良するために、反体制武装集団支配下のイドリブ県に入ったと伝えた。
この「型番不明」のミサイルもまた最近になって、発射台とともにトルコ領内から持ち込まれたもので、化学物質を弾頭に装填することができるという。
また、イドリブ市、ハーン・シャイフーン市で活動している複数の「テロ集団」が数日前に、戦車などの車輌、重火器、米国製の携帯式地対空ミサイルなどを移動させたという。
さらに、同消息筋によると、ホワイト・ヘルメットが21日、「フランス人テロリスト」から有毒科学物質が詰められたボンベ5本を受け取り、カフルナブル市にあるシャーム解放機構の弾薬庫から、イドリブ市内の弾薬庫に移送したという。
この弾薬庫は、最近になってイドリブ中央刑務所の地下に掘削機で建設されたものだという。
AFP, November 22, 2018、ANHA, November 22, 2018、AP, November 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 22, 2018、al-Hayat, November 23, 2018、Reuters, November 22, 2018、SANA, November 22, 2018、Sputnik News, November 22, 2018、UPI, November 22, 2018などをもとに作成。
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