シャーム解放機構はハマー県北部の割譲についてシャーム自由人イスラーム運動と合意する一方、イドリブ県、アレッポ県で国民解放戦線との交戦を続ける(2019年1月9日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構と国民解放戦線所属のシャーム自由人イスラーム運動が県北部のガーブ平原およびシャフシャブー山の処遇をめぐる交渉を行い、同地をシャーム解放機構に移譲することを合意した。

合意の内容は以下の通り:

1. バーブ平原およびシャフシャブー山のシャーム自由人イスラーム運動を解体する。
2. 同地の行政と福祉はシリア救国内閣が担う。
3. 同地の軍事行動はシャーム解放機構によって調整される。
4. 同地に配備されているシャーム自由人イスラーム運動の重火器、中火器をシャーム解放機構に引き渡す。軽火器についてはシャーム自由人イスラーム運動が保持する。
5. 同地北部のシャーム自由人イスラーム運動の拠点は維持する。
6. シャーム解放機構は同組織傘下で戦闘を継続するシャーム自由人イスラーム運動メンバーを追及しない。

al-Durar al-Shamiya, January 9, 2019

al-Durar al-Shamiya, January 9, 2019

また、シャーム解放機構の軍事部門は、ガーブ平原およびシャフシャブー山制圧を受けて、シャーム自由人イスラーム運動とシャームの鷹旅団に向けて声明を出し、この合意に従えば、身の安全を約束する」と表明した。

al-Durar al-Shamiya, January 9, 2019

 

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イドリブ県では、SANA(1月9日付)によると、シャーム解放機構と国民解放戦線が、県北部のアティマ村の国境通行所からアレッポ県との県境にいたる国境地帯で交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団、ANHA(1月9日付)によると、シャーム解放機構と国民解放戦線が、ダイル・バッルート村(アレッポ県アフリーン郡)および同地に近い国境地帯、上ディーワー村、下ディーワー村、キーラ村一帯、ジャムラ村、フジャイラール村で交戦、シャーム解放機構が同地を重火器、軽火器で攻撃した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(1月9日付)によると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線所属のハムザート旅団が、5日にシャーム解放機構が制圧したダーラト・イッザ市北東のシリアテル丘、登塔者聖シメオン教会(スィムアーン修道院)跡(ダイル・スィムアーン村郊外)一帯を攻撃し、一時奪還したが、数時間後にシャーム解放機構の反撃を受け、これを放棄した。

AFP, January 9, 2019、ANHA, January 9, 2019、AP, January 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2019、al-Hayat, January 10, 2019、Reuters, January 9, 2019、SANA, January 9, 2019、UPI, January 9, 2019などをもとに作成。

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