シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者がアムジャード広報機構が配信したインタビュー番組「唱道と指導」に出演し、トルコが準備している北・東シリア自治局支配下のシリア北東部ユーフラテス川以東地域に対する軍事作戦への見解を明らかにした。
ジャウラーニー指導者は番組のなかで「我々はユーフラテス川以東地域が解放に向かっていることを支持している。クルディスタン労働者党(PKK)はこの革命の敵であり、スンナ派アラブ人が多く暮らしている地域を掌握している。彼らは、共に戦っている我らが部族、我らが子息であり、我々はこの党を壊滅する必要があると見ている」と述べた。
一方、イドリブ県を中心とする「解放区」(緊張緩和地帯第1ゾーン)での情勢については、「我々はこの革命の一部をなしている。我々は革命そのものではなくその一要素だ。我々は人々を支配しようとは思っていない。我々にとっての関心は、アッラーの法(シャリーア)のもとで、正しい方向に進み、行動することにある。人々が自分たちにふさわしい生活状況で暮らすことができるよう、解放区を正しく建設していく」と述べた。
そのうえで、「我々の目的は、この革命に犯罪者体制の打倒という成果を冠することである。それは我々が分裂し、散り散りのままにならないようにするためだ。そうするために、我々はみなと共にありたい。現場で孤立したくはない。我々にとってすべての兵士が必要だ。我々はシャーム解放機構と問題を抱え、自分達の地域を維持し、ジハードを行い、戦う者に、我々とコミュニケーションするよう呼びかけたい。我々の任務は、彼らにそうしやすいようにすることで、外国の計略、そしてシリア革命に有害な計略に資するようなアジェンダを抱かないようにして欲しい」と付言した。
トルコが庇護する国民解放戦線のヌールッディーン・ザンキー運動やシャーム自由人イスラーム運動と1月1月から9日までアレッポ県、ハマー県、イドリブ県で交戦したことに関しては「我々には、ヌールッディーン・ザンキー運動が制圧している地域を支配したいなどとは望んでいない。地元評議会がこの地域に留まり、民政を運営する。アレッポ県西部農村地帯には多くの勢力がいる。ヌールッディーン・ザンキー運動の兵士には、犯罪者体制と戦うために同地にいるどの勢力に加わるかを選ぶことができる…。我々は最近の衝突で拘束した諸派のメンバー全員を釈放した。彼らはみな解放区の自宅に戻った。我々はこれらの勢力が無事だと見ている。彼らが背教したと疑っている者は、司法のもとに裁かれ、投獄される。これらの勢力は,我々の負傷者を救い、我々も彼らの負傷者を救ってきた。我々は犯罪者体制に対して一致団結して多くの戦いを行ってきた」と述べた。
ロシア・シリア軍がシャーム解放機構によって制圧されたイドリブ県を攻撃する可能性については「ロシアとイランの敵には、この地域のどこにも入るにせよ、口実は必要はない。ダルアーも、グータも、ヒムスも、シャーム解放機構の支配下にはなかったで、「穏健」と分類される諸派の支配下にあったからだ」と批判した。
反体制派支配地域の今後に関しては「シャーム地方内で諸派の内紛をもたらす主因は分裂と分断だ。一つの地理領域に多くの勢力、計画が存在している。シャーム解放機構は圧倒しようなどとは思っていない。そうすることは我々の政策ではない。多くの勢力が今も現場にいる。理想的な解決策は、シャーム解放機構を含む諸派を解放区の自治から排除し、自治は民間人や学識者の能力に委ねるべきだ。解放区にはそうした能力を持つ人々で溢れている」と述べた。
AFP, January 14, 2019、ANHA, January 14, 2019、AP, January 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2019、al-Hayat, January 15, 2019、Reuters, January 14, 2019、SANA, January 14, 2019、UPI, January 14, 2019などをもとに作成。
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