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カラムーン自由人大隊の広報局メンバーを名乗るマフマド・アブー・フィダー氏は、『シャルク・アウサト』(12月6日付)に対して、シャームの民のヌスラ戦線などが拉致・連行した聖タクラー教会修道女に関して、「シリア政府の刑務所にいるシリア人女性逮捕者1,000人の釈放など、複数の要求が満たされてからでないと解放しない」と述べた。
しかし、シリア革命総合委員会広報局のアーミル・カラムーニー氏は「『シャルク・アウサト』紙の情報源であるカラムーン自由人広報局高官を名乗るマフナド・アブー・フィダーなる人物は…無名の人物で…「カラムーン自由人」などという集団は存在しておらず、マアルーラー解放作戦にも参加していない」と述べた。
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シリア革命総合委員会広報局のアーミル・カラムーニー氏は声明を出し、ダマスカス郊外県ナブク市(ミフターフ地区)で軍が市民41人を「焼き殺した」と主張した。
カラムーニー氏はまた、軍がダマスカスカス郊外県東グータ地方のマルジュ・スルターン村、アルバイン市、マダーラー市、ザマルカー町周辺、西グータ地方のザバダーニー市、ブカイン市、マダーヤー町を砲撃したと付言した。
さらにカラムーニー氏は、アレッポ県アレッポ市に対する軍の爆撃で女性、子供を含む6人が死亡したと主張する一方、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ハルク地区、サラーフッディーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カッラーサ地区、シャッアール地区で「包囲解除の金曜日」と銘打って反体制デモが行われたと述べた。
同氏によると、アレッポ県アレッポ県ではこのほかに、「自由シリア軍」がクワイリス航空基地の軍拠点を攻撃する一方、キンディー大学病院周辺で軍と交戦、カフル・フード村への軍の爆撃では住民17人が「虐殺」されたという。
一方、イドリブ県に関しては、イドリブ市クスール地区の学校近くで、車に仕掛けられた車が爆発し、軍兵士など複数が死傷したと発表した。
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ジャズィーラ・チャンネル(12月6日付)は、シャームの民のヌスラ戦線などが拉致・連行したとされる聖タクラー教会修道女らの映像を公開した。
拉致・連行されたのは修道女13人と民間人3人で、彼女らは、軍の砲撃を逃れるために聖タクラー教会から避難したと述べ、誘拐されたとの報道を否定、また砲撃から逃れるのを手助けしてくれた「兄弟たち」の手で保護されていることを明らかにした。
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クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、イスラーム軍医療委員会が、前線で必要とされているパラセタモール(鎮痛剤)などの医薬品の一部の生産が可能になったと報じた。
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クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が、スハイル・アタースィー女史に副議長職からの辞任を求める文書の撤回を求めた、と報じた。
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自由アレッポ県議会は声明を出し、アレッポ市およびアレッポ県各所で地元評議会メンバーを選出するための選挙が実施され、アレッポ市議会議員25人、自由アレッポ県第2期地元評議会議員40人を選出したと発表した。
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『ハヤート』(12月7日付)は、ダマスカス郊外県ナブク市の反体制活動家らが、「ナブク市でナパーム弾の一種と思われる…発火性の発煙弾」による軍の砲撃で、薬品庫が被弾、火災炎を住民が吸引することで、呼吸困難や口内のただれといった症状が引き起こされたと述べ、軍による化学兵器使用疑惑を撤回したと報じた。
アサド大統領は、12日5日に死去した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領に弔意を示した。
SANA(12月6日付)によると、アサド大統領はこのなかで、マンデラ元大統領を「自由、公正、平等のための人類にとってもっとも崇高な闘争を探求し、博愛と同胞愛の諸価値をインスパイアーした闘争家」、「人種差別、排外主義、占領、抑圧に対するレジスタンスと解放運動の灯火」、「世界の抑圧された国民にインスピレーションを与える存在」と讃えるとともに、「不義や侵略をはたらいてきた者は、結局は敗北者になるという教訓を学ぶ」と述べた。
ダマスカス郊外県では、カラムーン報道センターを名乗る組織が、マアルーラー市が激しい砲撃を受ける一方、同市周辺で激しい戦闘があったと発表した。
一方、SANA(12月6日付)によると、ナブク市、ヤルダー市、ダーライヤー市、リーマー農場、ダブラ市、ダイル・サルマーン農場、ハラスター市、ザマルカー回廊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、シリア人権監視団は、ナブク市内のシリア軍が制圧するファッターフ地区で子供や老人の遺体17体が発見されたと発表した。
これに関して、クッルナー・シュラカー(12月7日付)は、地元の活動家の話として、虐殺はイラク人のズー・フィカール旅団とヒズブッラー戦闘員によって行われ、死者数は70人以上に達すると報じた。
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ダルアー県では、ダルアー合同軍事作戦司令室のアブー・マジド大佐(ダム街道地区前線司令官)によると、反体制武装集団の攻勢を受け、軍がダルアー市のシャマール・ハット地区、電力機構地区、国立病院地区、タルビヤ検問所近くのSadkop社地区などから撤退した。
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ダマスカス県では、SANA(12月6日付)によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、SANA(12月6日付)によると、アルバイド村、クワイリス村、ワディーヒー村、ハッダーディーン村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハンダラート・キャンプ、バービース村、バヤーヌーン町、バシャンティル村、ハイダリーヤ村、ナイラブ村北部、ラスム・バズルー村、タッル・ダマーン村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、フライターン市、ハーディル村東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ジュンド・ハック大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(12月6日付)によると、ジュブ・サファー村、タッル・ラマーン村、アブー・ズフール町西部、マルイヤーン村、タッル・サラムー村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ市、マアッラ・ハルマ市、カフルラーター市、カフルナジュド市、マアッラトミスリーン市ムーリーン市、ジュダール・ブカフルーン市、マジャーリズ市、ブカフルーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(12月6日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、クスール地区、ラスタン市、アイン・フサイン村に近いタッル・ガールで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市の国防隊拠点で、自爆テロが発生し、SANA(12月6日付)によると、20人が死亡、多数が負傷した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線の検問所で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のサウジ人戦闘員が殺害された。
ラッカ市の信頼できる消息筋によると、このサウジ人は、ヌスラ戦線の検問所を停車せずに車で通過しようとして、殺害されたという。
またクッルナー・シュラカー(12月7日付)によると、ラッカ市のタアミール地区、シュハダー地区、フィルドゥース地区の児童公園などを軍が爆撃し、約20人が死亡した。
タウヒード潮流のウィアーム・ワッハーブ代表(ドゥルーズ派)は、マナール・チャンネル(12月6日付)で、北部県トリポリ市で続く武装集団どうしの戦闘に関して、「武装集団がジャバル・ムフスィン地区を攻撃したいと考えるのなら、彼らはシリア軍に爆撃されるだろう」と述べ、「トリポリやアルサール地方(ベカーア県)へのシリア軍の介入を回避するため、レバノン軍は事態を収拾する責任を果たべきだ」と主張した。
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ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首(ドゥルーズ派)は、北部県トリポリ市で続く武装集団どうしの戦闘に関して「軍に任せるべきだ」と述べ、政局化することに異議を唱える一方、シリアでの聖タクラー教会修道所の拉致・連行に関して「個人の自由や人道に反した…シリア政府の行為のレプリカで…、革命の目標にとって有害」と批判した。
クッルナー・シュラカー(12月5日付)は、経済対外通商省内の反体制筋の話として、シリア国内にとどまるパレスチナ難民「たった35,000人」を支援するため、英国がUNRWA事務所に1,500ポンドを提供したと報じた。
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化学兵器禁止機関(OPCW)は、化学物質が充填されていない砲弾やロケット弾の破壊をシリア政府が完了したと発表した。
シリア政府は当初砲弾などの数を1,239発と報告、その後1,260発と上方修正、重機などを用いて破壊作業を進めてきた。
破壊作業は2014年1月末までに完了する予定だったが、1ヶ月前倒しで完了した。
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イスラエルのナザレ市検察局は、ゴラン高原のマジュダル・シャムス村出身のファアファト・ハラビー氏(28歳)がシリアのためにスパイ活動を行っていたとする起訴状を中央裁判所に提出した。
同起訴状によると、ハラビー氏は2013年9月にイスラエルからシリア領内に潜入し、「ハドル村」のシャイフを通じて、「アブー・アリー」を名乗るシリアのムハーバラート士官らと接触、イスラエルが占領するゴラン高原のアラブ人の村の住民の活動などを報告したのだという。
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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は訪問先のクウェートで「アサド大統領が将来にわたってとどまることができるなどと想像することはできない」と述べた。
AFP, December 6, 2013、al-Hayat, December 7, 2013, December 8, 2013、Kull-na Shuraka’, December 6, 2013, December 7, 2013、al-Manar, December 6, 2013、Naharnet, December 6, 2013、Reuters, December 6, 2013、Rihab News, December 6, 2013、SANA, December 6, 2013、al-Sharq al-Awsat, December 6, 2013、UPI, December 6, 2013などをもとに作成。
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ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…