ロシア国防省は声明を出し、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の中心都市イドリブ市にある武器弾薬庫に対して精密爆撃を行ったと発表した。
声明は以下の通り:
「ロシア空軍戦闘機複数が、3月13日、トルコ側と連携し、イドリブ市内にあるシャーム解放機構の武器弾薬庫に対して精密爆撃を行った…。複数のチャンネルを通じて確認した情報によると、武装集団は直前にこの武器弾薬庫に多数の無人航空機を搬入していた。テロリストはこれらを(シリア駐留ロシア軍の司令部があるラタキア県の)フマイミーム航空基地への攻撃に使用することを計画していた」。
ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、イドリブ市への爆撃で住民9人が死亡、30人以上が負傷した。
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一方、イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)やANHA(3月13日付)によると、ロシア軍はタマーニア町を白リン弾を使用して爆撃した。
負傷者のほとんどは子供だという。
ANHAは、シャーム解放機構がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路、アレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路一帯地域へのロシア軍憲兵隊の展開を拒否したことを受けて、爆撃が実施されたと伝えた。
これに対して、これらの爆撃に関して、シャーム解放機構の広報部門の責任者だというイマードッディーン・ムジャーヒド氏は報道向け声明を出し、シャーム解放機構の治安部隊が12日にシリア駐留ロシア軍の本部があるラタキア県のフマイミーム航空基地に所属するシリア諜報機関の細胞を摘発したと発表したことへの報復だとの見方を示した。
この細胞は2月18日のイドリブ市内での連続爆破事件に関与していたのだという。
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ハマー県では、SANA(3月13日付)によると、シリア軍がイドリブ県のマアッラト・ハルマ村、フワイン村、ザルズール村一帯からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を砲撃、これを撃退した。
また、ANHA(3月13日付)によると、シリア軍がマサースィナ村を砲撃し、シャーム解放機構と交戦した。
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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、シリア軍がアレッポ市北部のフライターン市、アナダーン市、ハイヤーン町、カフルハムラ村、マンスーラ村を砲撃、フライターン市近郊のアジア製薬工場などが被弾した。
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ラタキア県では、SANA(3月13日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発がラタキア市クナイニス地区の住居を直撃し、住民1人が負傷し、建物に被害が出た。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(アレッポ県4件、イドリブ県4件、ラタキア県5件、ハマー県4件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(アレッポ県9件、イドリブ県6件、ラタキア県5件、ハマー県3件)を確認した。
AFP, March 13, 2019、ANHA, March 13, 2019、AP, March 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2019、al-Hayat, March 14, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 13, 2019、Reuters, March 13, 2019、RT, March 13, 2019、SANA, March 13, 2019、UPI, March 13, 2019などをもとに作成。
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