イランのモハンマド・バーゲリー参謀長(少将)、ウスマーン・ガーニミー参謀長(上級大将)が率いるイラン・イラク軍合同使節団がシリアを訪問し、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣兼軍武装部隊副司令官と会談した。
SANA(3月18日付)によると、会談では、「テロとの戦い」におけるこれまでの戦略的成果、三軍との連携に対する総合評価が行われるとともに、連携強化にかかる課題への対応などについて意見が交わされた。
会談後の共同記者会見で、アイユーブ国防大臣は以下のように述べた。
「会合は皆にとって重要なもので、さまざまな次元、レベルで特筆すべき成功を収めた。その成果は、世界の生活地域でのタクフィール主義テロの拡散と伸張がもたらした危険や脅威に対峙するのに引き続き寄与するだろう」。
「我々はイラク、イラン、シリアが一つのテーブルにつき、事態の進捗やその影響にどのように対処し、テロ根絶のためにどのような措置が必要かについて見解を交わすのは当然だと考えている」。
「シリアの国家は、遅かれ早かれ、和解、あるいは軍事力をもって、地理的領域のすべてを再び掌握する。イドリブ県も決して例外ではない。同地は緊張緩和地帯の一つで…、うち三つはシリア国家の庇護下に復帰した。同じことがイドリブ県一帯でも起こるだろう」。
「シリアの国家から正式な要請を受けていないいかなる国のいかなる駐留も違法な占領であり、シリアにはその安全保障と安定を守る権利がある」。
「ジャズィーラ(ユーフラテス川以東)、そしてタンフ(国境通行所)などでの米軍の駐留に関して、米国の軍事力は大きく、近代的だが、祖国防衛の意志、帰属意識、そして犠牲への意気込みが、シリア・アラブ軍のもっとも重要な力の要素だ…。米国などはシリアから出て行くだろう…。なぜなら、駐留は違法で拒否されるべきだからだ…。シリアはこれらの部隊の無条件撤退が必要だと改めて強調する。それは占領軍であり、シリアの主権を侵害している」。
「シリア民主軍に関して、国家や市民権の論理では、国民はその政治観の違いにかかわらず国家と軍とともにあるもので…、祖国と市民を守る軍に対して武器を向けることは決して許されない…。我々は、他の誰でもない自分達の意志に基づいて、シリア人として永遠に共存することを選択する…。この選択を望む者を歓迎する。これに応じない者に対しては、軍が彼らの支配地域を解放することになる」。
「米国とその同盟国の手に残されているカードはシリア民主軍だけだ。シリア民主軍への対応は二つの方法で行われる…。国民和解か、力によるその支配地域の解放だ」。
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イランのバーゲリー参謀長は「我が地域の安全保障は、一部地域の問題ではなく、地域全体な問題だ。我々はテロとの対決を支援する用意がある。なぜなら、テロリストはイランにも脅威を及ぼしているからだ」と述べた。
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イラクのガーニミー参謀長は「近いうちに、イラクとシリアの国境通行所は開通し、両国間の訪問、通商、交流が継続されるだろう」としたうえで、「テロとの戦いにおいてシリア・イラン両軍は絶大な連携を行っている。シリアとイラクの安全保障は分かつことはできない」と述べた。
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SANA(3月18日付)などが伝えた。
AFP, March 18, 2019、ANHA, March 18, 2019、AP, March 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2019、al-Hayat, March 19, 2019、Reuters, March 18, 2019、SANA, March 18, 2019、UPI, March 18, 2019などをもとに作成。
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