シリアの外務在外居住者省は「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」とのトランプ大統領のツイートに猛抗議(2019年3月22日)

シリアの外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、ドナルド・トランプ米大統領が21日にツイッターで「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」と綴ったことに関して、「米国には、占領下にあるシリア領のゴラン高原の処遇を決定するいかなる権利もない」と批判、「ゴラン高原を回復するシリアの権利、そして同地へのシリアの主権を侵害するいかなる措置も効力のない違法な措置だ」と訴えた。

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バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表はニューヨークの国連本部で記者会見を開き、「ゴラン高原をめぐるトランプ大統領の発言は、同地がアラブ、そしてシリアのものであったとの現実を変更するものではない」としたうえで、「米国にはゴラン高原の処遇を決定するいかなる権利もなく、ゴラン高原を回復するシリアの権利を侵害するいかなる措置も、何の効力もない敵対的で、挑発的で、違法な行為だ」と批判した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣はレバノンのマヤーディーン・チャンネル(3月22日付)のインタビューに応じ、「米国は手に負えない大国だ。テロを育み、占領下にあるゴラン高原に関する国連の決議に刃向かい、国際の平和と安定に脅威を与えている」としたうえで、トランプ大統領の発言が、国連安保理決議第497号を含む国連での一連の決議と国連憲章に違反していると批判した。

また、「占領下のゴラン高原の回復は、シリアが厳然と有する権利で、交渉や譲歩の余地がない…。国際法の原則、そして国連安保理決議第242号、第338号、第497号を含む諸決議に基づいて、1967年6月4日時点の境界線まで(イスラエル)占領軍が完全に撤退することが、実施されるべき義務である」と主張した。

AFP, March 22, 2019、ANHA, March 22, 2019、AP, March 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2019、al-Hayat, March 23, 2019、Qanat al-Mayadin, March 22, 2019、Reuters, March 22, 2019、SANA, March 22, 2019、UPI, March 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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