イスラエル日刊紙『マアレヴ』紙(4月3日付)などは、イスラエル軍がシリア領内で特殊作戦を実施したとし、その内容を伝えた。
同紙によると、特殊作戦は、1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士ザハリア・バウメル(Zacharia Bawmel)氏の遺体奪還が目的。
イスラエル軍のジョナサン・コンリカス報道官(中佐)によると、バウメル氏は1960年米国生まれ、移民第1世代。
スルターン・ヤアクーブの戦いは、レバノンのベカーア県西ベカーア郡のシリア国境近くにあるスルターン・ヤアクーブ村で1982年6月10日から11日にかけて、シリア軍、パレスチナのサーイカ、レバノン諸派とイスラエル軍が行った戦車戦。
この戦いで、イスラエル軍兵士約20人が死亡、バウメル氏は、ズヴィ・フェルドマン(Zvi Feldman)氏、イェフダ・カッツ(Yehuda Katz)氏とともに行方不明とされていた。
「ほろ苦い歌」と名づけられたこの作戦は、約1ヶ月を要し、実施にあたったイスラエル諜報機関は先週、遺体を奪還、DNA検査により、本人であることを確認したという。
なお、遺体回収場所は明らかにしなかったが、コンリカス報道官によると「第三国がテルアビブに数日前に伝えてきた」という。
これに関して、イスラエルの13チャンネルは、ロシアが遺体の安置場所の特定と奪還を支援したと伝えた。
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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、作戦の成功に関して「モサド、シャバク、軍情報機関、イスラエル軍に御礼を言いたい…。こうした努力は、広範な外交プロセスによるもので、その将来は将来語られることになろう」と述べた。
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パレスチナ解放人民戦線総司令部派のアンワル・ラジャー報道官は「ヤルムーク・キャンプのテロ集団がイスラエル軍兵士の遺体を引き渡した張本人だ」と批判した。
ラジャー報道官は「おそらく武装集団がヤルムーク・キャンプの墓地を掘り返す作業中に遺体を見つけたのだろう…。遺体発見はテロ集団とイスラエル諜報機関の連携によるもので…。テロリストはイスラエル軍兵士の遺体をトルコに運び、イスラエルに引き渡した」などと述べた。
『ハヤート』(4月4日付)が伝えた。
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レバノンのワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は、ツイッターのアカウントで、「イスラエル軍兵士の遺体引き渡しは、誰が仲介したか分からないが、無償の贈り物だ…。だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の価値は選挙で決まる」などと綴った。
AFP, April 3, 2019、ANHA, April 3, 2019、AP, April 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2019、al-Hayat, April 4, 2019、Maariv, April 3, 2019、Reuters, April 3, 2019、SANA, April 3, 2019、UPI, April 3, 2019などをもとに作成。
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