ロシアの『ニェザヴィーシマヤ・ガゼータ』(4月22日付)は、シリア政府を支援するロシアとイランがシリアへの輸入販路をめぐって水面下で対立を深めていると伝えた。
同記事が複数の西側メディアの情報として伝えたところによると、ドナルド・トランプ米大統領は4月9日にエジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領と会談した際、エジプトが対イラン制裁に同調するかたちで、イラン産の石油を積んだ船舶のスエズ運河の通行を秘密裏に禁止した。
これがきっかけとなり、シリアでガソリン不足が深刻化、ロシアのユーリイ・ボリソフ副首相(兼ロシア・シリア通商経済科学技術協力合同委員会議長)の20日のシリア訪問とアサド大統領との会談は、これに対処することが一義的な目的だったという。
ボリソフ副首相は、アサド大統領との会談で、ロシア・シリア両政府が、運輸および経済利用を目的として、ロシアにタルトゥース港を49年間貸与することで合意することを明らかにしていた。
だが同時に、この合意は、イラン・シリア両政府が2019年2月にラタキア港のイランへの経済目的での貸与に合意していたことへの対抗措置としての性格もあるという。
同紙は「イランによるラタキア港の利用に関する合意は、今年10月1日に発効するが、米国やイスラエルだけでなく、ロシアにとっても懸念材料だった」と伝えており、4月初めのイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相のロシア訪問時にも、ヴラジミール・プーチン大統領との会談で議題に上っていたという。
米国とイスラエルはロシアの動きを黙認、西側諸国が経済制裁を科す2011年まで石油の輸出拠点だったタルトゥース港を輸入拠点とする動きが本格化することになったという。
AFP, April 22, 2019、ANHA, April 22, 2019、AP, April 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 22, 2019、al-Hayat, April 23, 2019、Nezavisimaya Gazeta, April 22, 2019、Reuters, April 22, 2019、SANA, April 22, 2019、UPI, April 22, 2019などをもとに作成。
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