YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会がラッカ県でシリア部族会合を開催(2019年5月3日)

ラッカ県では、北・東シリア自治局の支配下にあるアイン・イーサー市で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会がシリア部族会合を開催し、同自治局支配地のアラブ部族や名士が出席した。

ANHA(5月3日付)によると、「シリア部族はシリア社会を守り、社会契約を維持する」とのスローガンが掲げられた会合には、バカーラ部族など約70の部族、市民団体代表、シリア民主軍幹部(マズルーム・ウバイディー総司令官)、シリア民主評議会幹部(イルハーム・アフマド執行委員会議長)、北・東シリア自治局幹部(ビーリーファーン・ハーリド共同議長、アブドゥルハーミド・ミフバーシュ共同議長ら)などが出席した。

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出席者は声明を出し、以下の通り表明した。

「我々は、歴史上、そして現在、未来においてシリアの文化になじまないテロに対するシリア民主軍の偉大なる勝利をたたえたい…。同時に、テロの脅威が続いていることを認識している…。それゆえ、我々は部族長、名士として…、社会平和に向けた自らの責任を果たし、シリア民主軍を支援し続けねばならない…。我々は、テロが根絶され、安定が確立し、シリア危機が民主的に解決するまで自治局、民政局に所属する必要があると考えている」。

「シリア危機は…、シリア社会やシリアの部族などからなる社会勢力に対する内政干渉者やダマスカスの中央政府の誤ったアプローチによって危険な状態に陥った。シリア政府は…、社会の防衛や活性化に貢献する社会のもっとも重要な柱である部族の真のありように反してきた…。シリアの部族は…、社会平和を強化し、民族間の友愛関係を維持する…ための役割を果たす能力がある…。政治的解決以外にシリア危機の解決策はなく、軍事的決着はさらなる破壊をもたらす」。

「我々出席者は以下のことを確認する:シリアの領土と人民の統合、独立…、被占領地(アフリーン、ジャラーブルス、アアザーズ、バーブ、ゴラン)回復に向けた権利を放棄を認めないこと。シリア危機解決と和平実現に対する共同責任を追っていると認識すること…。分権国家、安定的な民主政体のもとで、モザイクをなすすべての人々が暮らす新たなシリアを樹立する決意。すべての社会勢力を代表した合意に基づくシリア憲法…。テロとの戦いの継続…。危機解決の一環としてのシリア民主軍によるテロとの戦いの支援継続。北・東シリア自治局支援。シリアの民主的変革と持続的開発を実現するための勢力統合に向けた行動…。民族・宗教差拒否…。国内避難民と難民の安全な帰還…。アフリーンでのトルコによる分離壁建設を阻止するよう、国際社会、国連、安保理に呼びかけること。トルコによる占領停止と被占領地への住民の帰宅。テロから解放された地域の復興に向け、国際社会が責任を果たし、早急を果たすこと」。


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なお、ANHA(5月3日付)によると、当初の予定では数千人が参加する予定だった。

AFP, May 3, 2019、ANHA, May 3, 2019、AP, May 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 3, 2019、SANA, May 3, 2019、UPI, May 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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