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複数の目撃者によると、大佐2人を含むシリア軍の士官4人が離反し、イドリブ県ヒルバト・ジャウズ村からトルコへと越境した。
シリア軍当局は、ダマスカス郊外県キスワ市郊外に駐留する第1師団内で将兵が離反し、師団が分裂したとの「度重なる報道」を「根拠がない」と否定した。
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SANA(6月24日付)は、軍がイドリブ県ジスル・シュグール市周辺地域への展開を完了、住民の歓迎を受けたと報じた。
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SANA(6月24日付)によると、ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区、ダマスカス郊外県ジュダイダト・アルトゥーズ町、ダイル・ザウル市で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持する集会が開かれ、市民数万人が参加した。
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シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、「武装テロ集団のメンバー3人がジスル・シュグール市(イドリブ県)で殺戮・脅迫行為を行い、治安本部を攻撃したと自供したと報じ、証言ビデオを放映した。
メンバーの一人は「治安本部のスタッフを殺害し、彼らの遺体を傷つけ、検問所を設置し、市民を脅迫した」と自供した。
治安拠点を攻撃した武装集団の数は700人と推計されるという。
『ハヤート』(6月25日付)によると、ダマスカス県(バルザ区、カーブーン区、マイダーン地区)、ダマスカス郊外県(キスワ市、ザバダーニー市など)、アレッポ県(アレッポ市)、イドリブ県(カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市など)、ヒムス県(ヒムス市、ラスタン市)、ハマー県、ダイル・ザウル県(ダイル・ザウル市、マヤーディーン市など)などの各所に、シリア軍が展開し、治安当局が検問所を設け、幹線道路が封鎖されるなか、金曜礼拝後に反体制デモを行い、当局による暴力行使や対トルコ国境地帯での治安維持活動に反対を表明した。
シリア人権監視団によると、デモは抗議行動開始以来「最大規模」で「数万人が参加した」という。
同監視団によると、ダイル・ザウル市では3万人以上、ハマー市では数万人、マヤーディーン市では数千人、イドリブ県カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市では約1万人、ヒムス県ラスタン市では約5,000人、ダマスカス郊外県のザバダーニー市では約700人、ドゥーマー市では1,500人、ダマスカス県カーブーン区では約1万2,000人がデモに参加した。
また活動家のアブドゥッラー・ハリール氏によると、ラッカ県のラッカ市とタブカ市で数百人規模のデモがあった。
さらにハサカ県の活動家ハサン・バッルー氏はAFP(6月24日付)に対して、カーミシュリー市で5,000人以上、アームーダー市で3,000人以上、ラアス・アイン市で訳1,500人がデモを行ったと述べた。
彼らは体制打倒を求めるスローガンを叫んでいたが、治安部隊との衝突はなく、ラアス・アイン市ではアサド大統領を支持するデモも行われたという。
しかし、複数の活動家と目撃者によると、治安部隊が実弾などを使用し、デモの強制排除を試み、子供2人(ダマスカス郊外県とヒムス県で1人ずつ)を含む15人以上が死亡した。
またシリア人権機構のムハンマド・イナード・スライマーン氏はAFP(6月24日付)に対して「治安部隊がデモ参加者に発砲し、キスワ市では5人が死亡、6人が負傷した」と述べた。
さらに、ダマスカス県バルザ区の人権活動家の一人は「治安部隊がデモ参加者に発砲し、3人が死亡、25人が負傷した」と指摘した。
ロイター通信(6月24日付)によると、バルザ区の住民の話として「治安部隊は最初、催涙ガスを使っていたが、その後、シュプレヒコールが続くなかで、屋上から発砲を始めた…。3人の若者が殺害され、頭と胸を撃たれた遺体2体を見た」と伝えた。
ヒムス市の別の人権活動家も「同市で3人のデモ参加者が殺害された」としたうえで、「20人以上が負傷した」と述べた。
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これに対して、シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、体制を支持する行進の映像を放映する一方、ダマスカス県バルザ区で武装集団が治安部隊に発砲し、市民3人が死亡、士官1人と複数の治安要員が負傷したと報じた。
ナハールネット(6月24日付)によると、北部県トリポリ市でアサド政権の支持者と反対者の双方が座り込みデモを行い、軍・治安当局が厳戒態勢を敷いた。
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AFP(6月24日付)によると、北部県アッカール郡に負傷したシリア人8人が不法入国、その後病院に搬送された。
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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、アサド政権に関して「地域唯一のレジスタンス体制」だと位置づけたうえで、「アサド大統領は、武装した反乱分子がいるにもかかわらず、二度にわたって恩赦を実施し、改革を開始した。しかし彼ら(欧米諸国)は満足していない。一方、バーレーンに目を向けると、反体制派の指導者たちはナイフ1本も持っていなかったにもかかわらず、禁固刑を受けている」と述べた。
トルコのアフメット・ダウトオール外務大臣は、アサド大統領の22日の演説が「改革に向けた積極的な要素を含んでいるが、重要なのは具体的な措置をどこで実施するかであり、我々はこうした考え方のもとで(シリアとの)連絡を継続している」と述べた。
そのうえで「我々はシリアが改革実施を通じて、現状から全力で脱却することを望んでいる」と続けた。
アナトリア通信(6月24日付)が伝えた。
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『ハヤート』(6月25日付)は、トルコ当局が過去24時間で1,500人以上のシリア人がトルコ領内に避難し、これによりシリア人避難民の数が1万2,000人に達したと発表した、と報じた。
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EU首脳は共同声明を出し、「アサド政権は…自らが示した大規模改革の約束を履行せず、弾圧を選んだことで、正統性を失った」と厳しく非難した。
また「シリア政府が国民に対して行う弾圧を決して受け入れることはできず、嫌悪感をもたらす暴力行使を非難する」と続けるとともに、「トルコ国境のヒルバト・ジャウズ村でのシリア軍の作戦に大いなる懸念」を表明した。
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米『タイムズ』(6月24日付)は、軍・治安部隊によるイドリブ県ジスル・シュグール市制圧を受けてトルコに避難した住民らが、軍・治安部隊による「集団レイプ」が行われたと証言していると報じた。
AFP, June 24, 2011、Akhbar al-Sharq, June 24, 2011、al-Hayat, June 25, 2011、Kull-na Shuraka’, June 24, 2011、Naharnet, June 24, 2011、Reuters,
June 24, 2011、SANA, June 24, 2011、The Times, June 24, 2011などをもとに作成。
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