Contents
反体制活動家らは、インターネットを通じて、「アラブの春」に呼応するかたちで反体制デモが始まってから100日を迎える24日を「正統性打倒の金曜日」と銘打って、各地で反体制デモを行うよう呼びかけた。
またその前日にあたる23日にすべての都市でのゼネストを行うよう呼びかけ、『ハヤート』(6月24日付)によると、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、ヒムス県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、イドリブ県(サラーキブ市)、タルトゥース県(バーニヤース市内南部)、ラタキア県、カーミシュリー市(ハサカ県)で、「大規模なスト」が行われた。
**
地元調整委員会は声明を出し「100日(が経った)。我々の革命は続く。それがあらゆる形態の平和的闘争の継続とともに求められている」と宣言した。
**
シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アサド政権による抗議デモ弾圧を「人道に対する犯罪」と非難、「存在理由と正統性を失った」と糾弾した。
**
シリア共産主義者統一国民委員会は機関紙『カシオン』(6月23日付)を通じて声明を出し、24日にハサカ県カーミシュリー市で予定されている抗議デモに参加すると発表した。
SANA(6月23日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で発見された「集団墓地」で発見された軍・治安部隊隊員26人の葬儀がヒムス市軍事病院で行われた。
**
SANA(6月23日付)によると、ダマスカス県のキリスト教各派の呼びかけに応じるかたちで、キリスト教徒、イスラーム教徒が、カッサーア地区の聖十字架に集まり、シリアに対する陰謀の拒否と平和を求める集団礼拝を行った。
**
SANA(6月23日付)によると、タルトゥース県ミスヤーフ市で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、数万人の住民が参加、全長1,000メートル、幅5メートルの巨大なシリア国旗を広げた。
イドリブ県では、『ハヤート』(6月24日付)によると、シリア軍の戦車部隊が、対トルコ国境に位置するヒルバト・ジャウズ村に突入した。
トルコ領内の複数のトルコ人目撃者によると、シリア軍戦車と兵士が、トルコから1キロも離れていない丘にまで到達したのが見え、AFPとロイター通信はともに、シリア人避難民がトルコへの謝意を示すため、数日前にこの丘にある建物に掲げていたトルコ国旗が下ろされ、シリア国旗が再び掲げられたと報じた。
これを受け、同村に避難していたシリア人数百人がトルコに避難した。
トルコ赤新月社のティキン・クジョカリ会長は「国境で新たな動きが生じている」と述べ、「600人以上今日(23日)、避難してきた」ことを明らかにした。
一方、SANA(6月23日付)によると、軍・治安部隊による掃討作戦を受けて、ジスル・シュグール市外に避難していた住民約270世帯が帰宅した。
**
アレッポ県では、複数の目撃者によると、装甲車に支援された軍歩兵部隊がアレッポ県とトルコを結ぶ街道に検問所を設置し、数十人を逮捕した。
シリア人権監視団はまた、治安機関が過去2日間で、タッル・リフアト市およびその郊外で120人を逮捕したと発表した。
トルコ外務省高官は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣がシリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と電話会談し、シリア情勢に関して意見を交わしたと述べた。
ロイター通信(6月23日付)によると、トルコ第二軍司令官がグフィチの国境地帯を視察訪問した。
**
ヒラリー・クリントン米国務長官は、シリア軍によるヒルバト・ジャウズ村への攻勢に関して「もしそれが本当だとすれば、こうした敵対行為がトルコ領内のシリア人避難民の暮らしを不安定化させる」と懸念を表明した。
**
米国防総省のアレクサンダー・バーシュボウ安全保障担当次官補は、シリア・トルコ関係に関して、アサド政権はトルコ政府が求めていることを「考慮して…、暴力を停止し、改革を始めねばならない」と述べた。
**
EUによる対シリア制裁第3弾が発効した。
EU官報で発表された追加制裁リストには、イラン・イスラーム革命防衛隊のモハンメド・アリー・ジャアファリー少将、その補佐官のガーセム・ソレイマーニー少将、フセイン・タイイブ諜報担当副司令官の3人が含まれている。
また制裁リストには、大統領のいとこで弾圧に関与したとされるズー・ヒンマ・シャーリーシュ氏、その弟でシリアの体制に資金援助をしている(とされる)リヤード・シャーリーシュ氏、ハーリド・カッドゥール氏、リヤード・クーワトリー氏の4人にビジネスマンが名を連ねている。
追加制裁ではまた、アサド政権に資金援助しているとされる企業4社(企業とは建設不動産会社、マシュリク投資基金、ハムシュー国際機構、そして国防省所管の公営企業の軍住宅機構)の資産凍結が定められている。
**
NATOのアナス・フォー・ラスムセン事務局長は『フィガロ』(6月23日付)に、アサド政権による反体制運動弾圧に関して「この状態は我々がリビアで見たものとは異なっている…。私の経験から、シリアに飛行禁止空域は設定されず、シリア内政への外国の軍事介入はないと考える」と述べた。
AFP, June 23, 2011、Akhbar al-Sharq, June 23, 2011、Le Figaro, June 23, 2011、al-Hayat, June 24, 2011, June 25, 2011、Kull-na shuraka’, June 23, 2011、June 26, 2011、Naharnet, June 23, 2011、Reuters, June 23, 2011、SANA, June 23, 2011などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
イランを訪問中のバッサーム・サ…