シリア・ロシア軍の爆撃はイドリブ県に集中、シャーム解放機構支配下のアリーハー市では民間人6人が死亡(2019年5月27日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから28日目となる5月27日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より20人(民間人19人、シリア軍兵士37人、反体制武装集団戦闘員45人)増えて834人となった。

うち、255人が民間人(女性53人、子供53人を含む)、579人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(310人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は134回、投下した「樽爆弾」の数は144発を記録、ロシア軍戦闘機も8回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は400発以上にのぼった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に26回、ハーン・シャイフーン市に20回、マアッラト・ハルマ村に19回、カフルナブル市に8回、シャイフ・ムスタファー村に6回、ハザーリーン村に5回、アリーハー市、イブリーン村にそれぞれ3回、バーラ村一帯、バーティンタ村、イフスィム町、カフル・ウワイド村、ナキール村、マアッルズィーター村、カルサア村、フィキーア村、スフーフン村、トゥラムラー村、カンスフラ村、マアッラト・スィーン村、マシューン村、カフルサジュナ村にそれぞれ2回の爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ハルマ村に「樽爆弾」39発、フバイト村に35発、カフルサジュナ村に19発、ハーン・シャイフーン市に16発、シャイフ・ムスタファー村に11発、サルマーニーヤ村、マアッルズィーター村、ヒーシュ村、ナキール村にそれぞれ2発を投下した。

シリア軍地上部隊も県南部を砲撃した。

ロシア軍戦闘機もカルサアに4回、ナキール村、フバイト村にそれぞれ2回の爆撃を行った。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)によると、このうちアリーハー市に対する爆撃では、女性4人を含む民間人6人が死亡、12人が瓦礫の下敷きになった。

一方、SANA(5月27日付)によると、シリア軍がカフルナブル市、トゥラムラー村にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に14回の爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」16発を投下した。

シリア軍地上部隊も同地を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県北部を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県西部を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県10件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県2件、ハマー県13件)確認した。

AFP, May 27, 2019、ANHA, May 27, 2019、AP, May 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2019、al-Hayat, May 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 27, 2019、Reuters, May 27, 2019、SANA, May 27, 2019、SOHR, May 27, 2019、UPI, May 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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