シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから31日目となる5月30日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より22人(民間人6人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員16人)増えて947人となった。
うち、309人が民間人(女性64人、子供77人を含む)、638人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(369人)。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は61回を記録、ロシア軍戦闘機も9回の爆撃を行った。
ただし、シリア軍ヘリコプターが投下した「樽爆弾」は6発にとどまり、またシリア軍地上部隊と反体制武装集団の砲撃戦も限定的なものとなった。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でウライニバ村、フバイト村、カフルルーマー村、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、フィキーア村、カルサア村、マルイヤーン村、カフルムース村、マンタフ村、トゥラムラー村、アルバイーン山一帯、アービディーン村、ハザーリーン村への爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでトゥラムラー村に「樽爆弾」2発を投下した。
またシリア軍は地上部隊がハーン・シャイフーン市を砲撃した。
ロシア軍もフバイト村、ハーン・シャイフーン市、スフーフン村を爆撃した。
ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する爆撃で、女性と子供を含む民間人5人が死亡、10人以上が負傷したという。
一方、SANA(5月30日付)によると、シリア軍がフバイト村、カルサア村、トゥラムラー村、サルジャ村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市への爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャフルナーズ村に「樽爆弾」2発を投下した。
またシリア軍は地上部隊がザカート村、アルバイーン村を砲撃した。
一方、SANA(5月30日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町を砲撃し、住民5人が負傷した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯への爆撃を実施した。
またシリア軍は地上部隊が、同地一帯を砲撃した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が、ハミーラ村およびその一帯を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県2件、ラタキア県2件、ハマー県2件)確認した。
AFP, May 30, 2019、ANHA, May 30, 2019、AP, May 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2019、al-Hayat, May 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 30, 2019、Reuters, May 30, 2019、SANA, May 30, 2019、SOHR, May 30, 2019、UPI, May 30, 2019などをもとに作成。
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