シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから34日目となる6月3日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より87人(民間人7人、シリア軍兵士49人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて1,075人となった。
うち、334人が民間人(女性73人、子供78人を含む)、741人がシリア軍兵士(313人)および反体制武装集団戦闘員(428人)。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は126回、投下した「樽爆弾」の数は43発を記録、ロシア軍戦闘機も37回の爆撃を行った。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッサービーヤ村一帯、ハーン・シャイフーン市、カフル・ウワイド村、バアルブー村、アービディーン村、フバイト村、マアッラト・ヌウマーン市、ウライニバ村、トゥラムラー村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村一帯、ハザーリーン村、マダーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、カフルサジュナ村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでアービディーン村、フバイト村、ラカーヤー村、カッサービーヤ村一帯に「樽爆弾」を投下した。
ロシア軍もシャイフ・ダーミス村を爆撃した。
ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する爆撃では市場が狙われ、市民3人が死亡、ヒーシュ村でも1人が死亡したという。
またシリア軍は地上部隊が、カフルナブル市、タッルアース村、カフル・アイン村を砲撃し、カフルナブル村では民間人3人が死亡、同村にあるハティーブ外科病院が被弾した。
さらにカッサービーヤ一帯での戦闘では、反体制武装集団の戦闘員25人とシリア軍兵士15人が死亡した。
一方、SANA(6月3日付)によると、シリア軍がナキール村、トゥラムラー村、マアッラト・ハルマ村、マアッルズィーター村、カフルサジュナ村にあるシャーム解放機構などの反体制武装集団の拠点、マアッラト・ヌウマーン市一帯の兵站路を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。
ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。
一連の爆撃で反体制武装集団戦闘員7人が死亡した。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、クナイバ丘ではシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦し、シリア軍側に多数の死傷者が出たという。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町に爆撃を実施した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県13件、イドリブ県1件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(アレッポ県1件、ハマー県23件、ラタキア県10件、イドリブ県5件)確認した。
AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。
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