シリア軍がイドリブ県に激しい爆撃を続ける一方、「必勝」の戦いを続けるシャーム解放機構、国民解放戦線はハマー県北部でシリア軍兵士多数を殺害(2019年6月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから51日目となる6月20日、シリア軍は爆撃を実施、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より110人(民間人22人、シリア軍兵士35人、反体制武装集団戦闘員53人)増えて1,864人となった。

うち、485人が民間人(女性99人、子供120人を含む)、606人がシリア軍兵士、773人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は116回を記録、地上部隊による砲撃は780発以上におよんだ。

ロシア軍戦闘機による爆撃は確認されなかった。


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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ザカート村、カフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラーヤー村、アルバイーンに対して爆撃を実施した。

また地上部隊が、県北部、北西部の戦闘地域を砲撃した。

県北部での戦闘では、シリア軍および親政権民兵31人が死亡した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(6月20日付)によると、シャーム解放機構や国民解放戦線は「必勝」の戦いの一環として、タッル・ミルフ村およびジャビーン村一帯に進攻したシリア軍と激しく交戦し、兵士50人あまりを殺害したという。

一方、SANA(6月20日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、フバイト村、マアッラト・ハルマ村、アルマナーヤー村、カフルルーマー村、ヒーシュ村、トゥラムラー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、マストゥーマ村一帯、シャイフ・ムスタファー村、ジャッラーダ村、フーア市一帯、マアッラトミスリーン市一帯、ハザーヌー町、カフルサジュナ村、ナキール村に対して爆撃を実施した。

これにより、マアッラト・ヌウマーン市で、救急隊員3人と女性1人、ヒーシュ村で女性1人と子供4人を含む6人、カフルサジュナ村で子供2人、マアッラトミスリーン市で男性1人が死亡した。

また地上部隊が県南の戦闘地域を砲撃した。

一方、SANA(6月20日付)によると、シリア軍がカフルサジュナ村一帯でシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月20日付)によると、サフム・ジャウラーン村・ジッリーン村間の街道を移動中のシリア軍第4師団が何者かの要撃を受けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県1件、ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(イドリブ県1件、ハマー県4件)確認した。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 20, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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