イドリブ県、ハマー県に対するシリア・ロシア軍の爆撃でホワイト・ヘルメットの隊員2人が死亡(2019年6月26日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから56日目となる6月26日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より13人(民間人13人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,943人となった。

うち、526人が民間人(女性102人、子供131人を含む)、631人がシリア軍兵士、786人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は100回を記録、ロシア軍も26回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は420発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でイドリブ市一帯、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ハザーリーン村、タッルアース村、バスィーダー村、スカイク村、カフルサジュナ村、ヒーシュ村、ルブア・ジャウズ村、シャイフ・ムスタファー市、ラカーヤー・サジュナ村、マダーヤー村、アービディーン村、ナキール村に対して爆撃を実施、地上部隊がフバイト村、タッルアース村を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、ジャバーラーおよびその一帯、タッルアース村、ヒーシュ村を爆撃した。

一連の爆撃により、イドリブ市近郊で女性1人を含む国内避難民4人、ハーン・シャイフーン市近郊でホワイト・ヘルメット隊員2人、マアッラト・ミスリーン市近郊で民間人2人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月26日付)によると、ホワイト・ヘルメットが乗っていた車を狙い、隊員2人を殺害したのはロシア軍だという。**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサフル村、カフルズィーター市およびその一帯、ジャビーン村、タッル・ミルフ村に対して爆撃を実施、地上部隊がムーリク市、カフルズィーター市、サフル村、ラターミナ町、ラトミーン村を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、ラトミーン村一帯を爆撃した。

一連の爆撃により、カフルズィーター市で民間人1人が死亡した。

一方、SANA(6月26日付)によると、シャーム解放機構がシリア政府支配下のシャイフ・ハディード村、ブライディージュ村、カルナーズ町の民家や農場を砲撃、女児1人が死亡した。

これに対してシリア軍は、サフル丘、カフルズィーター一帯で活動するシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点、兵站路に対する攻撃を拡大した。

対する、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、ブライディージュ村、カルナーズ町にあるロシア軍の作戦司令室とシリア軍第5軍団拠点を砲撃したと発表した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(アレッポ県2件、イドリブ県8件、ハマー県6件)確認した。

AFP, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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