反体制派がシリア政府支配下のアレッポ市を砲撃し、民間人6人が死亡(2019年7月14日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから74日目となる7月14日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人0人、シリア軍兵士3人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,472人となった。

うち、645人が民間人(女性131人、子供168人を含む)、881人がシリア軍兵士、945人が反体制武装集団戦闘員。

なお、14日に死亡したとされる4人の犠牲者のなかに、シリア政府支配下のアレッポ市に対する反体制武装集団の砲撃による民間人犠牲者6人は含まれていない。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は64回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」20発を投下、ロシア軍も32回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は350発におよんだ。

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アレッポ県では、SANA(7月14日付)によると、アレッポ市西部で活動を続ける反体制武装集団が、シリア政府支配下のアレッポ市中心街の県知事公邸一帯、ハラブ・ジャディード地区、マンヤーン村を砲撃し、民間人6人が死亡、9人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA、バウワービーヤ村、カフル・ハラブ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部および西部の戦闘地域を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市およびその一帯、アーミリーヤ村一帯、カフルサジュナ村、マダーヤー村、ラカーヤー村、マアッラト・ハルマ村、ブサンクール村一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月14日付)によると、ロシア軍による爆撃では、マアッラト・ヌウマーン市の揚水施設が狙われ、利用不能となった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラトミーン村、カフルズィーター市、アルバイーン村、ラターミナ町、ムーリク市、タッル・ミルフ村、ジャビーン村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでザカート村、ジャビーン村、ハスラーヤー村、タッル・ミルフ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部および北西部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もザカート村、カフルズィーター市、ラターミナ町、タッル・ミルフ村、ジャビーン村を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(アレッポ県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ハマー県7件、アレッポ県2件)確認した。

AFP, July 14, 2019、ANHA, July 14, 2019、AP, July 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 14, 2019、Reuters, July 14, 2019、SANA, July 14, 2019、SOHR, July 14, 2019、UPI, July 14, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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