シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから76日目となる7月16日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より27人(民間人20人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員2人)増えて2,515人となった。
うち、665人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、892人がシリア軍兵士、958人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は60回を記録、ロシア軍も47回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は460発におよんだ。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ジスル・シュグール市、マアッルシューリーン村、スィフヤーン村、ハントゥーティーン村、ガッサーニーヤ村に対して爆撃を実施、マアッルシューリーン村で子供3人を含む10人が、ハーン・シャイフーン市で男性2人が、ガッサーニーヤ村で子供1人が死亡した。
またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地帯を砲撃した。
ロシア軍もハーン・シャイフーン市およびその一帯、スィフヤーン村、ルブア・ジャウル村、カフルサジュナ村を爆撃した。
一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がマアッルシューリーン村、ハーン・シャイフーン市にあるシャーム解放機構の拠点、ジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。
他方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(7月16日付)によると、シャーム解放機構の治安機関が、4月24日にジスル・シュグール市で発生した爆発事件(22人が死亡、数十人が負傷)の容疑者を拘束した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ラトミーン村、ムーリク市、ザカート村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地帯を砲撃、ラターミナ町近郊で男性1人が死亡した。
ロシア軍もタッル・ミルフ村、ジャビーン村、アルバイーン村、ラターミナ町、カフルズィータ市およびその一帯を爆撃した。
一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。
ドゥラル・シャーミーヤ(7月16日付)によると、対する反体制武装集団はジューリーン村にあるシリア軍基地を激しく砲撃した。
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他方、スプートニク・ニュース(7月16日付)によると、反体制武装集団がジスル・バイト・ラース村とシリア政府支配下のジャイイド村間に位置する橋(バイト・ラース橋)を爆破した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシリア政府の支配下にあるアレッポ市ハムダーニーヤ地区、アアザミーヤ地区を砲撃し、民間人1人が死亡、複数が負傷した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(アレッポ県2件、ハマー県5件)確認した。
AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, July 16, 2019、Sputnik News, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。
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