クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(7月20日付)は、シリア政府が北・東シリア自治局のシャフバー地区(アレッポ県タッル・リフアト市一帯地域)の住民のアレッポ市への往来や同地区への支援物資の搬入に対して通行料や関税を課して、人や物の移動を制限していると伝えた。
タッル・リフアト市一帯地域は、トルコがアレッポ県アフリーン郡を占領した2018年3月以降、北・東シリア自治局(2018年9月に正式発足)とシリア政府の共同支配下にあり、アレッポ市は2016年12月以降にシリア政府の支配下にある。
同サイトによると、シリア政府は、シャブバー地区とアレッポ市を結ぶ主要街道に少なくとも5カ所の検問所を設置し、同地区の住民に多額の通行料を求める一方、北・東シリア自治局支配下のシリア北東部からの物資を積んだ車輌に対して、1台あたり150万シリア・ポンドの関税を課しているという。
こうした規制のなかで、アレッポ市の病院での治療を必要とするシャフバー地区の重篤患者らの移送が制限され、医療機器やスタッフが不足しているアフリーン病院ではこれまでに50人以上が充分な治療を受けることができず死亡したという。
シリア政府はまた、シャフバー地区に燃料を搬入する貨物車輌に対して、1台につき300万シリア・ポンドの通行料支払いを求めており、同地区が慢性的な燃料不足に見舞われているという。
さらにアレッポ市からシャフバー地区への医師の派遣を制限、同地区に医薬品を搬送する車輌に対しては1台につき700万シリア・ポンドの通行料支払いを求めているという。
AFP, July 20, 2019、ANHA, July 20, 2019、AP, July 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2019、Reuters, July 20, 2019、SANA, July 20, 2019、SOHR, July 20, 2019、UPI, July 20, 2019などをもとに作成。
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