シリア・ロシア軍がマアッラト・ヌウマーン市、カフルズィーター市などを爆撃、市場などが狙われ、女性、子供、ホワイト・ヘルメットの隊員ら市民が死亡(2019年7月29日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから89日目となる7月29日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より34人(民間人25人(うち女性4人、子供0人)、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員5人)増えて2,800人となった。

うち、852人が民間人(女性158人、子供209人を含む)、936人がシリア軍兵士、1,012人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は82回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」75発を投下、ロシア軍も49回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は270発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッラト・ヌウマーン市、カフルサジュナ村、ハーン・シャイフーン市およびその一帯に対して爆撃した。

爆撃により、マアッラト・ヌウマーン市の市場や住宅街が狙われ、市民4人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県南部を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、フバイト村、アービディーン村を爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、サイヤード村、ラハーヤー村、マアルカバ村、ラトミーン村、ムーリク市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでザカート村、ラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市、ラトミーン村に「樽爆弾」を投下した。

ラトミーン村では「樽爆弾」によって市民2人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村、アルバイーン村、カフルズィーター市、ハスラーヤー村、ラタ-ミナ町を爆撃、カフルズィーター市ではホワイト・ヘルメットの隊員1人と女性1人を含む市民4人が、ラターミナ町では女性1人、女児1人を含む市民4人が死亡した。

一方、SANA(7月29日付)によると、シリア軍が反体制武装集団との戦闘の末、県北部の戦略的要衝のタッル・ミルフ村、ジャビーン村を完全制圧した。

タッル・ミルフ村については、28日にシリア軍が完全制圧したとの報道がなされていた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県4件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(ハマー県7件、イドリブ県3件)確認した。

AFP, July 29, 2019、ANHA, July 29, 2019、AP, July 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 29, 2019、Reuters, July 29, 2019、SANA, July 29, 2019、SOHR, July 29, 2019、UPI, July 29, 2019などをもとに作成。

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