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フォード前駐シリア米大使「米国に何も期待するな。イドリブに介入して第三次世界大戦の危険を冒そうとする者など米国には1人もいない」(2019年7月29日)

ロバート・フォード前駐シリア米大使は『シャルク・アウサト』(7月29日付)に論説を寄稿し、イドリブ県で続けられるロシア・シリア軍の攻撃を食い止めるために米国が介入することはないと綴った。

「米国はイドリブでの卑劣な行為を食い止めるために介入するか?」と題された論説のなかで、フォード氏は、「米国に何も期待するな。シリアのために第三次世界大戦の危険を冒そうとする者など米国には1人もいない」と綴った。

フォード氏は「多くのシリア人はシリア政府が犯す卑劣な行為を止めるために米軍が介入することを期待している…。だが、米国はイドリブ県への爆撃を止めるために介入することはない」としたうえで、「ロシアがユーフラテス川以西の領空すべてを掌握する一方で、米国はユーフラテス川以東の領空すべてを掌握している。米空軍がイドリブ県上空を旋回することが認められたら、ロシアと米軍の戦闘機が交戦する可能性が生じる…。米国にはシリアのために第三次世界大戦の危険を冒そうと思っている者など1人もいない」と述べた。

またシリア領内への米軍部隊の駐留については、「ユーフラテス川以東地域に米軍が設置している飛行禁止空域、さらにはワシントンとシリア民主軍の特別な関係がいつまで続くかは誰にも分からない…。だが、いつかは終わるだろう」、「タンフ国境通行所地域に駐留する米軍は、ルクバーン・キャンプの難民の深刻な苦しみを軽減するために支援を行うことはない…。駐留はイランがそこに街道を作るのを阻止するのが目的だからだ」などと述べた。

AFP, July 29, 2019、ANHA, July 29, 2019、AP, July 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2019、Reuters, July 29, 2019、SANA, July 29, 2019、al-Sharq al-Awsat, July 29, 2019、SOHR, July 29, 2019、UPI, July 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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