シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効してから4日目を迎えたが、シリア・ロシア軍が爆撃を再開、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団も交戦した。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は42回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」38発を投下、ロシア軍も12回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は250発におよんだ。
シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人4人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,925人となった。
うち、872人が民間人(女性161人、子供217人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、サルマーニーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村に「樽爆弾」を投下、ムーリク市で民間人4人が死亡した。
これに対して、反体制武装集団はジューリーン村を砲撃した。
一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が、ラターミナ町、ザカート村、アルバイーン村、タッル・ミルフ一帯、ジャビーン村一帯にあるシャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団の拠点に対して砲撃を行った。
砲撃は反体制武装集団の停戦違反への対抗措置だという。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、タマーニア町、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、タッフ村、マダーヤー村、バスィーダー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊がアブー・ズフール町西方一帯を砲撃した。
ロシア軍もハーン・シャイフーン市、タッルアース村、マダーヤー村、アービディーン村を爆撃した。
一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が反体制武装集団の停戦違反への対抗措置として、ハーン・シャイフーン市、フワイン村、ザルズール村一帯を砲撃した。
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ラタキア県では、SANA(8月5日付)によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向けて、反体制武装集団が午前3時半頃に砲撃を行い、砲弾複数発が基地の周辺に着弾、人的・物的被害が出た。
被害の詳細は不明。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機もフドル丘一帯、タルディーン村を爆撃した。
AFP, August 5, 2019、ANHA, August 5, 2019、AP, August 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2019、Reuters, August 5, 2019、SANA, August 5, 2019、SOHR, August 5, 2019、UPI, August 5, 2019などをもとに作成。
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