トルコ軍の大規模車列がハーン・シャイフーン市方面に向けて南下、シリア軍がこれを爆撃(2019年8月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所を通じて、トルコ軍の車列がシリア領内に進入し、マアッラト・ヌウマーン市を経由し、アレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路を通って、シリア・ロシア軍の猛攻が続くハーン・シャイフーン市、ハマー県ムーリク市方面に向かった。

車列は、戦車7輌、装甲車6輌を含む車輌25台からなる大規模部隊。

しかし、ANHA(8月19日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)などによると、シリア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市近郊のマアッル・ハッタート村でこの車列を爆撃し、南下を阻止した。

この爆撃で、車列に随行していた国民解放戦線に所属するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の戦闘員(ムハンマド・フサイン・カースィム氏)が死亡した。

一方、トルコ国防省は声明を出し、「イドリブ第9監視所(ハマー県シール・マガール村)に向かっていた我が軍の車列が爆撃を受け、民間人3人が死亡、12人が負傷した」と発表、「攻撃は…ロシアと我々の合意、協力、対話に反するもので、我々はこれを厳しく非難する」と表明した。

ムーリク市は、近郊にトルコ軍監視所が設置されているが、カフルズィーター市、ラターミナ町、そしてイドリブ県ハーン・シャイフーン市とともにシリア・ロシア軍の猛攻撃を受けており、包囲の危機に直面している。

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ANHA(8月19日付)が複数の地元筋の情報として伝えたところによると、この爆撃により車列が足止めを食ったことを受け、トルコ軍は別の車列をバーブ・ハワー国境通行所からシリア領内に進入させ、ハーン・シャイフーン市方面に向かわせた。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)によると、トルコ軍の車列は2回にわたり、シリア領内に入り、最初の車列はM5高速道路沿いに新たな監視所を設置し、シリア軍が反体制派の兵站路を遮断しないようにすることが、後続の車列はこれを支援することが目的だったという。

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シリアの外務在外居住者省の情報筋は、SANA(8月19日付)に対して、トルコ軍車列の進入を「あからさまな主権侵害」と非難した。

また、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(8月19日付)は、M5高速道路沿いに新たな監視所を設置する試みが、ロシア、イランとトルコが交わした緊張緩和地帯設置合意に違反するものだと批判した。

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SANA(8月19日付)やスプートニク・ニュース(8月19日付)は、シリア軍の爆撃を受けた車列が、イドリブ県南部やハマー県北部で活動を続けるシャーム解放機構などの戦闘員らの退路を確保するために進入したとしたうえで、実際にサラーキブ市でシャーム解放機構の戦車2輌を匿ったと伝えた。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、Sputnik News, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

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