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ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報担当報道官は、BBCアラビア語放送(7月8日付)に大使、ロバート・フォード米大使ら一行が「シリア政府に無許可で」ハマー市を訪問したことに対して抗議の意と不快感を表明した。
シャアバーン報道官は、米政権との「ボールのやりとり」を断絶したくないと述べつつ、「シリアのすべての階層が国民対話に臨もうとしている矢先に、フォード大使がハマー市を訪れ、昨日まで滞在することを決めたとの米国務省声明に対するシリア国民の激しい抗議の意と不快感」を伝えると述べた。
また「こうした行為は、米国が「対話反対」と言っているとのメッセージに思える」としたうえで、「もし米国がシリアでの民主改革路線を望んでいるのなら、なぜ我々が臨もうとしている対話を支持するとの見解を示さないのか?」と疑義を呈した。
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内務省は声明を出し、ロバート・フォード在シリア米大使らのハマー市訪問に関して「破壊分子が検問所を設け、道路を閉鎖し、市民が仕事場に行くことを妨害されているなかでの外交儀礼を無視した行為」としたうえで、「破壊分子と会見し…彼らにデモ、暴力、対話拒否を煽動した」と非難した。
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SANA(7月8日付)によると、ダマスカス県ヒジャーズ駅前、ティシュリーン公園、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、カーディー・アスカル地区、ハサカ市など各地でアサド大統領の包括的改革プログラム支持と諸外国の内政干渉拒否(米大使のハマー市訪問反対)を訴えるデモ集会が行われ、多数の市民が参加した。
また、ハマー市でも、ロバート・フォード在シリア米大使の訪問に抗議するデモが行われた。
『ハヤート』(7月9日付)によると、ハマー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、ヒムス県、アレッポ県、ハサカ県(カーミシュリー市)、イドリブ県、タルトゥース県(バーニヤース市)、ラタキア県の複数の都市で、「合わせて数十万人」がデモを行い、軍・治安部隊による市民への暴力行使に抗議する一方、アサド政権との「対話」拒否を訴えた。
複数の活動家によると、治安部隊がほとんどの都市に重点的に展開し、ダマスカス県(カーブーン区など)、ハラスター市(ダマスカス郊外県)、イドリブ県、ヒムス県では、デモ参加者や活動家に対する摘発活動で、少なくとも14人(ダマスカス郊外県ドゥマイル市で6人、ヒムス県で5人、ダマスカス県マイダーン地区で2人、ハマー市で1人)が死亡、数十人が負傷し、逮捕した。
シリア人権国民連盟によると、45万人以上がハマー市内のアースィー広場および同広場に至る街頭でデモを行ったという。
また同監視団によると、ダイル・ザウル市では約10万人、マヤーディーン市では数千人がデモに参加した。
米国務省ビクトリア・ヌーランド報道官は「ロバート・フォード米大使は、多数のデモ参加者と会見した後、同市(ハマー)を離れ、昨日ダマスカスに帰任した」と述べた。
そのうえで米政府がシリア政府に事前に今回の訪問を通知していたと改めて主張した。
ヌーランド報道官は「我々は正直、シリア側の反応に若干不快に感じている」と述べ、フォード大使がハマー市を突然訪問したとのシリア政府の見解が「ナンセンスだ」と強調した。
AFP, July 8, 2011、Akhbar al-Sharq, July 8, 2011、al-Hayat, July 9, 2011、Kull-na Shuraka’, July 8, 2011、Naharnet, July 8, 2011、Reuters,
July 8, 2011、SANA, July 8, 2011などをもとに作成。
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