シリア・ロシア軍がイドリブ県を再び爆撃、トルコ軍も同地に留め置かれている部隊を支援するための増援部隊を派遣(2019年9月12日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから12日目(爆撃を激化させてから133日目)を迎えた9月12日、両軍はイドリブ県各所を爆撃、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア人権監視団によると、爆撃再開は、トルコ側がアレッポ市とハマー市を結ぶM4高速道路、アレッポ市とラタキア市を結ぶM5高速道路一帯から、シャーム解放機構を中心とする反体制派を排除しなかったのを受けたもので、シリア軍戦闘機による爆撃回数は12回を記録、ロシア軍も複数回の爆撃を行った。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人(民間人2人(うち子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて4,132人となった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性187人、子供262人)、シリア軍兵士1,406人、反体制武装集団戦闘員1,671人。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がバザーブール村、マアッラト・ヌウマーン市森林地帯、ハザーリーン村、スフーフン村、マアッルズィーター村、ジャバーラー村、ダール・カビーラ村、バイニーン村、サルジャ村を、ロシア軍がブサンクール村森林地帯を爆撃し、サルジャ村で女児1人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットによると、スフーフン村に対するシリア軍の爆撃で、同地にあるセンターが利用不能になった。

またシリア軍地上部隊がカフルルーマー村を砲撃し、民間人1人が死亡した。

シリア軍地上部隊はまた、マアッラト・ハルマ村を砲撃した。

一方、トルコ軍増援部隊がカフルルースィーン村に設置された国境通行所からシリア領内に進入、トルコ軍の補給部隊が留め置かれているマアッルハッタート村に向かった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がヒルバト・ナークース村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県9件、ラタキア県7件、ハマー県1件、アレッポ県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(イドリブ県4件、アレッポ県2件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, September 12, 2019、ANHA, September 12, 2019、AP, September 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 12, 2019、Reuters, September 12, 2019、SANA, September 12, 2019、SOHR, September 12, 2019、UPI, September 12, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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