ラタキア県で反体制武装集団がシリア軍拠点を砲撃(2019年9月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから28日目(爆撃を激化させてから149日目)を迎えた9月28日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人0人、シリア軍兵士3人?、反体制武装集団戦闘員0人)多い4,166人となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,421人、反体制武装集団戦闘員1,677人。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カッバーナ村一帯で活動する反体制武装集団がシリア軍の拠点を砲撃し、士官2人が死亡した。

これに対して、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、同地一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアッラト・ハルマ村、ハザーリーン村、ヒーシュ村、カンスフラ村、ビダーマー町一帯、ナージーヤ一帯、トゥラムラー村を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、アブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」にいたる街道を破壊、また同地一帯にバリゲードなどを設置し、反体制派支配地域からシリア政府支配地域に避難しようとする住民の移動を阻止した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカラースィー村、ハーン・アサル村、カフルナーハー村を砲撃した。

ANHA(9月28日付)によると、シリア軍はまた、アレッポ市ラーシディーン地区一帯に対しても爆撃を行った。

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ダマスカス郊外県では、グータ情報センター(9月28日付)によると、ハッザ町とザマルカー町を結ぶ街道に設置されたサーラト・カマール検問所が何者かの襲撃を受け、シリア軍兵士複数人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県12件、ラタキア県10件、アレッポ県7件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を30件(イドリブ県9件、ラタキア県13件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認した。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Ghouta Media Center, September 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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