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米・EUはシリア政府・反体制勢力の政治プロセスに基づく紛争解決をめざす国連の総意に反するかたちで、アサド政権への追加制裁を決定、シリア・バッシングを再びエスカレートさせた。
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EU外相会議がルクセンブルグで開かれ、シリアへの奢侈品および弾圧に転用可能な機器や化学肥料の輸出禁止が決定された。
輸出禁止となる奢侈品の具体的な内容については未定であるが、キャビアやアルコール飲料、ブランド宝飾品、高級自動車などが指定される模様。
『ハヤート』(4月24日付)によると、奢侈品の輸出規制は、英『インディペンデント』紙が大統領らのメールだとして公開した文書から、アスマー・アフラス大統領夫人がネット通販で宝飾品を購入していたことが判明したことを受けた動き。
だが、アスマー・アフラス大統領夫人とアサド大統領は以前から(他の高官に比べて)質素倹約で知られている。
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バラク・オバマ米大統領は、「米国はどこでも軍事的に介入できるわけでない」と述べ、軍事的介入の可能性を否定、「別の手段」でアサド政権に圧力をかけ続けるとの意思を改めて示した。
オバマ米大統領は「シリア国民は戦車、砲撃、拷問、逮捕、誘拐にもかかわらず街頭に出続けている…。彼らが屈服しない限り、我々も屈服しない。我々はさまざまな手段で圧力をかけ続ける…。アサド政権の終わりはいずれ来るだろう…。米国はどこでも軍事的に介入できるわけでない。世界には不正があるが…、我々には別の手段がある」と述べた。
米財務省は、「イラン、シリア両政府や情報技術を駆使した体系的人権侵害に関与した個人」などの資産凍結を決定、シリア内務省が所轄する総合情報部、アリー・マムルーク同局長、シリアテル社を制裁リストに加えた。
またイランの革命防衛隊、ダダク・テレコム社も制裁対象となった。
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スイス政府は、アニーサ・マフルーフ氏(大統領の母)、アスマー大統領夫人、マナール・ジャドアーン氏(マーヒル・アサド大佐婦人)、ブシュラー・アサド氏(大統領の姉)を新たに制裁リストに追加する決定を下した。
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なおロシアは西側の追加制裁(の可能性)に関して、「混乱を助長する以外のいかなる進展も見込めない…受け入れられない」措置との見解を示してきた。
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チュニジアのムンスィフ・マルズーキー大統領は『ハヤート』(4月24日付)との単独インタビューに応じ、アナン特使のミッションに関して「成功率は3%以下だ」と述べた。
またマルズーキー大統領は、シリアの危機解決のため「イエメン・シナリオ」を採用すべきだと述べ、大統領権限の副大統領への移譲が必要だとの見方を示した。
さらに「ロシア人、中国人、イラン人は、バッシャール・アサドが終わったと理解しなければならない…。生きているか死んでいるかは別として去るだろう。彼と彼の家族にとっては生きたまま去る方がよい」と述べた。
反体制活動家らによると、ハマー市で軍・治安部隊が市街地に激しい砲撃を加え、多数の市民が死亡した。
ただし死者数に関しては、「少なくとも40人」、「少なくとも28人」、「少なくとも20人」とさまざまな証言が錯綜している。
砲撃は、アルバーン地区、サーブーニーヤ地区、マシャーウ地区などに対して集中的になされた、という。
同市は22日に国連停戦監視団(UNSMIS)先遣隊が訪問、数千人の市民がアースィー広場などに出て出迎えていた。
一方、シリア人権監視団によると、ハマー市で大佐1人を含む軍兵士5人が殺害された。事件に関して、SANA(4月23日付)は武装テロ集団の犯行と報じた。
またSANA(4月23日付)は、ハマー市のアルバイーン地区、マシャーウ地区で関係当局が住民の協力のもと、武装テロ集団を追跡・摘発し、大量の武器を押収した、と報じた。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市で中佐1人が殺害された。事件に関して、SANA(4月23日付)は武装テロ集団の犯行と報じた。
またSANA(4月23日付)は、ダルアー市クスール地区でアドナーン・タウフィーク・サミート医師が武装テロ集団に暗殺されたと報じた。
シリア革命総合委員会によると、2人が殺害された。
一方、『ハヤート』(4月23日付)は、複数の目撃者の話として、シリア領内の対ヨルダン国境地帯で軍・治安部隊と離反兵が交戦、離反兵がヨルダン領内に逃げ去ったと報じた。
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ダマスカス郊外県では、SANA(4月23日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市で未明に市民1が殺害された。
シリア人権監視団はこの殺害に関して、住民が当局の犯行だと疑っていると発表した。
またシリア人権監視団によると、アルバイン市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。
シリア革命総合委員会によると、1人が殺害された。
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ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、ヒムス市バーブ・アムル地区、インシャーアート地区で爆発音が聞こえ、ハーリディーヤ地区で発砲があった。
またSANA(4月23日付)は、対レバノン国境のジュダイダ・ヤーブース検問所で、税関当局がレバノンの観光用の自動車から、大量の武器・弾薬を欧州したと報じた。
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アレッポ県では、アレッポ大学で学生がデモを行い、治安当局が強制排除した。
一方、SANA(4月23日付)によると、バーブ市で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、2人が殺害された。
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ハサカ県では、シリア革命総合委員会によると、1人が殺害された。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が逮捕・摘発が行われた。
シリア革命総合委員会によると、1人が殺害された。
一方、SANA(4月23日付)によると、ダイル・ザウル市で武装テロ集団の自宅で爆弾が爆発し、テロリスト1人が即死した。
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イドリブ県では、SANA(4月23日付)によると、ジャルジャナーズ町で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、市民1人が死亡した。
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UNSMIS先遣隊は、ダマスカス郊外県のザバダーニー市、ハラスター市、ドゥーマー市、ヒムス市、アレッポ県アレッポ市、バーブ市を訪問した。
複数の反体制筋によると、軍・治安部隊はUNSMIS先遣隊の訪問に先立って、兵を撤退させ、検問所を撤収していた、という。
先遣隊が訪問したザバダーニー市、ハラスター市、ドゥーマー市では、オガレット・ニュース・ネットワーク(4月23日付)によると、数千人が街頭に出て、「国民は自由シリア軍の武装を望む」といったシュプレヒコールをあげた。
複数の活動家によると、治安部隊の展開や逮捕ゆえに、「監視団は住民の意見に耳を傾けることができないまま、ハラスター市を通過しただけで、彼らは銃声を聞き、自身の目で指名手配者が逮捕されるのを目撃した」という。
シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長がエジプトを訪問し、ムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談した。
エジプトにはバスマ・カドマーニー氏、アブドゥルバースィト・スィーダー氏、アフマド・ラマダーン氏も同行した。
会談後の記者会見でアムル外務大臣は、エジプトが外国の介入、軍・治安機関に依拠した問題解決を拒否してきたことを強調し、世界に向けた統一の政治ビジョンを示すよう反体制勢力に求めたことを明らかにした。
一方、ガルユーン事務局長は、エジプトがシリア国民評議会を承認していないことに関して、「諸外国は集団として承認している…。エジプトと評議会の関係はきわめて良好で…我々には形式は重要でない」と述べた。
反体制勢力の武装に関しては、「戦闘的な民兵の存在は許さない」としつつ、「政府が残した真空を埋め、市民の安全とシリアの統一の維持…、評議会の政治的監督のもとでの武装部隊の設置と統合…が任務の一つ」だと述べ是認した。
UNSMISに関しては、「よりダイナミックで早急な活動を行い…、都市部に常に留まり、政府が犯罪的砲撃行為を行っていることを目撃する」べきだと主張した。
アサド政権の打倒に関して、時期を明言するのは困難だと認めつつ、闘争を継続する意思を強調した。
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『バラドナー』(4月23日付)によると、祖国シリア党(公認野党)は声明を出し、経済通商省前で行っていたハンストを終了したと発表した。
同声明によると、党幹部がダマスカスの党本部でニダール・シャッアール経済通商大臣と会談し、党の要求を協議し、便乗値上げを監視する職員650人の新規採用などを内閣が承認することなどが決定された、という。
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シリア国家建設潮流の女性民主フォーラムが声明を出し、国連安保理決議2043号の採択を歓迎するとともに、2000年の国連安保理決議1325号(女性、平和、安全に関する決議)をシリアの危機に適用するよう求めた。
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国民変革潮流は声明を出し、EUによる追加制裁を歓迎した。
AFP, April 23, 2012、Akhbar al-Sharq, April 23, 2012、Balad-na, April 23, 2012、al-Hayat, April 24, 2012、Kull-na Shuraka’, April 23, 2012、Naharnet.com, April 23, 2012、Reuters, April 23, 2012、SANA, April 23, 2012などをもとに作成。
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