シリア軍は県南東部のタッフ村を含む7カ村・農場を新たに制圧する一方、マアッラト・ヌウマーン市などを爆撃し15人殺害(2019年12月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市、タッル・マンス村、ムアスラーン村を爆撃し、マアッラト・ヌウマーン市では国内避難民(IDPs)7人が、タッル・マンス村では男性2人が、ムアスラーン村では住民6人が死亡した。

また、シリア軍地上部隊は、パレスチナ人民兵組織のクドス旅団とともに、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室と交戦し、マアッラータ村、ファルワーン村、バーブーリーン村、タッフ村、サルマーン村、アブー・マッキー村を新たに制圧した。

制圧は、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がサルマーン村、アブー・マッキー村などから撤退を受けたもので、これにより、シリア軍はサルマーン村に設置されているトルコ軍の監視所が三方を包囲した。

なお、SANA(12月22日付)によると、シリア軍地上部隊が新たに制圧したのは、タッフ村、ハラーキー村、カラーティー村、タフターヤー村、ブルジュ村、タッル・ヒムスィー農場、ファルワーン村。


反体制組織のシリア対応調整者によると、シリア・ロシア軍の攻撃で11月以降に発生したによる国内避難民(IDPs)の数は20万3,709人に達しているという。

**

ハマー県では、SANA(12月22日付)によると、シリア軍防空部隊がハマー航空基地上空に飛来した無人航空機(ドローン)2機を撃墜、1機はサラミーヤ市に、もう1機はラタキア県ジャブラ市に墜落した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村一帯で反体制武装集団と交戦し、シリア軍兵士7人、反体制武装集団2人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市西のアブー・ハッシャ検問所近くでシリア軍兵士2人がオートバイに乗った2人の発砲を受けて、死亡した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)によると、サフム・ジャウラーン村西のシリア軍検問所が何者かの攻撃を受け、兵士5人が死亡、2人が負傷、ブスル・ハリール市でも、シリア軍の准将が何者かによって殺害された。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を61件(イドリブ県25件、ラタキア県16件、アレッポ県11件、ハマー県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を53件(イドリブ県38件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県2件)確認した。

AFP, December 22, 2019、ANHA, December 22, 2019、AP, December 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 22, 2019、Reuters, December 22, 2019、SANA, December 22, 2019、SOHR, December 22, 2019、UPI, December 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts