シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、イドリブ県南部および南東部でヌスラ戦線(シャーム解放機構)などの「武装テロ組織」との交戦の末、40以上の町・村を含む320平方キロメートル以上の地域を浄化・制圧したと発表した。
12月19日以降の戦闘でシリア軍が浄化・制圧したのは、ウンム・ティーナ村、タッル・ダム村、アブー・シャルキー村、サイヤード村、シャッアーラ村、ムダイリサ村、ルバイア村、ハリーバ村、バルナーン村、バルサ村、ファルワーン村、カトラ村、ハラーキー村、アブー・ダフナ村、ヒルバト・マアッラーター村、ファアルール村、アブー・マッキー(アブー・マッカ)村、サルマーン村、サキーア村、カルサンタ村、ブルジュ村、サルジュ村、サハール村、ブライサ村、ファルジャ村、ウンム・ジャラール村、タッル・シャイフ村、アブー・フッバ村、ラッファ村、タッル・ハッラーン村、ハッラーン村、カラーティー村、ハルバ村、タアル・タッフ村、タッフ村、ムアイサルーナ村、タッル・マアッラーン村、ジャルジャナーズ町、タフターヤー村、タッル・サイイド村、ジャアファル村、バルータ村、ウンム・ジャバル村、タッル・アブー・ハーミド村など。
なお、シリア人権監視団によると、12月24日の戦闘での死者は、民間人10人(うち子ども6人、女性2人)、シリア軍兵士23人、反体制武装集団戦闘員19人。
イドリブ県南東部での戦闘が激化した12月19日以降の犠牲者数は、民間人88人(うち子ども19人、女性19人)、シリア軍兵士134人、反体制武装集団戦闘員167人。
シリア軍が爆撃を再開した4月30日以降の犠牲者数は5,352人で、内訳は、民間人1,354人(うち子ども342人、女性248人)、シリア軍兵士1,868人、反体制武装集団戦闘員1,424人。
**
イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室が、M5高速道路上に位置するカフル・バースィーン村、バーブーリーン村、スィフヤーン村、マアッルハッタート村から撤退した。
シリア軍はこれらの村に進軍はしていないという。
一方、ロシア軍戦闘機は、タッル・マンス村、バービーラー村とハーン・スブル村間のM5高速道路、ジャウバース村を爆撃し、ジャウバース村では国内避難民(IDPs)を収容していた学校が被弾し、女性2人と子ども6人を含む10人が死亡した。
https://eldorar.com/sites/default/files/styles/696×367/public/photo_2019-12-24_12-03-03.jpg?itok=7TdrSei5&ezimgfmt=rs:615×329/rscb2/ngcb2/notWebP
ロシア軍戦闘機はまた、M5高速道路上の主要都市の一つマアッラト・ヌウマーン市に照明弾を発射した。
シリア軍も戦闘機とヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市一帯の村々、サラーキブ市などを爆撃した。
他方、ドゥラル・シャーミーヤ(12月24日付)によると、シャーム解放機構はシリア軍によって制圧されたジャルジャナーズ町で爆弾を積んだ車をシリア軍部隊に向けて特攻させ、兵士数十人を殺傷した。
また、シャーム解放機構はシリア軍に反撃し、バルサ村を奪還したという。
なお、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市とサラーキブ市に向かって進軍を続けるなか、24日だけでサラーキブ市の住民3,000人以上がアレッポ県北西部のアフリーン郡方面に避難した。
**
ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機、シリア軍戦闘機およびヘリコプターがカッバーナ村一帯を爆撃した。
また、シリア軍地上部隊が反体制武装集団と交戦、シリア軍兵士8人、武装集団戦闘員5人が死亡した。
ハマー県では、SANA(12月24日付)によると、シリア軍防空部隊が、スカイラビーヤ市上空に飛来した反体制武装集団の無人航空機(ドローン)を撃破した。
**
ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市マンシヤ地区の路上に仕掛けられていた爆弾が、シリア政府との和解に応じたスンナ青年旅団の元司令官の車が通過した瞬間に爆発し、元司令官が死亡した。
ドゥラル・シャーミーヤ(12月24日付)によると、殺害された元司令官はウィサーム・ムサーラマ氏で、シリア政府との和解後、軍事情報局に勤務していた。
**
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を55件(イドリブ県21件、ラタキア県16件、アレッポ県6件、ハマー県12件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を47件(イドリブ県20件、ラタキア県19件、アレッポ県6件、ハマー県2件)確認した。
AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
イランを訪問中のバッサーム・サ…