シャーム解放機構や国民解放戦線などからなる反体制派はイドリブ県の2カ村を奪還、シリア政府支配下のアレッポ市を砲撃し住民6人を殺害(2020年1月16日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月16日付)やシリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードとともにシリア軍と激しく交戦、アブー・ジュライフ村とハーマ村を奪還した。

国民解放戦線は同村の攻撃でシリア軍の車輌を対戦車ミサイルで破壊し、兵士多数を殺傷したと発表し、その映像を公開した。

シリア人権監視団によると、これに対して、ロシア軍戦闘機は放棄された大隊基地、マアッルシューリーン村、マアッラト・ヌウマーン市およびその一帯を爆撃した。

シリア軍戦闘機もハントゥーティーン村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市およびその一帯を爆撃、ヘリコプターもバイニーン村、ハントゥーティーン村、カフルルーマー村、ダイル・ルーザ遺跡、ダイル・サンバル村、バービーラー村、マアッラト・ヌウマーン市およびその一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

一方、SANA(1月16日付)は、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党などからなる反体制武装集団が、タッル・ハトラ村、アブー・ジュライフ村、ヒルバド・ダーウード村に侵攻したが、シリア軍がこれを撃退したと伝えた。

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アレッポ県では、SANA(1月16日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がアレッポ市スッカリーヤ地区を砲撃し、住民6人が死亡、15人が負傷した(シリア人権監視団によると死者は8人)。

シリア人権監視団、ANHA(1月16日付)によると、これに対して、ロシア軍戦闘機とシリア軍戦闘機は、アンジャーラ村、カフルナーハー村、ハーン・トゥーマーン村、ハラサ村、カブターン・ジャバル村、マンスーラ村、アレッポ市ラーシディーン地区を爆撃した。

またシリア軍地上部隊も、アレッポ市西の科学研究センター、ラーシディーン地区、ハーン・アサル村、カフルダーイル村を砲撃した。

これに対して、国民解放戦線(シリア国民軍)は、アレッポ市西部のハラブ・ジャディーダ地区にあるシリア軍の拠点を砲撃し、兵士多数を殺傷したと発表し、その映像を公開した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナフジュ村で武装集団がシリア軍第4師団を襲撃、士官2人を含む3人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月16日付)によると、シリア軍が15日にランクース市の無人地帯に潜伏していた反体制武装集団を摘発したことに抗議する落書きが、ザーキヤ町で発見された。

AFP, January 16, 2020、ANHA, January 16, 2020、AP, January 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2020、Reuters, January 16, 2020、SANA, January 16, 2020、SOHR, January 16, 2020、UPI, January 16, 2020などをもとに作成。

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