シリア軍はアレッポ県の2カ村とイドリブ県の3カ村を新たに制圧、ロシア・シリア軍の爆撃で民間人15人以上死亡(2020年2月2日)

アレッポ県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、アレッポ市南西部のハラサ村、カラースィー村を制圧した。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)などは、反体制武装集団がシリア軍による制圧の数時間後にハラサ村とズィーターン村を奪還したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアウラム・クブラー町、カマーリー村、ハーン・アサル村、バルクーム村、アターリブ市、M5高速道路沿線を爆撃し、アウラム・クブラー町では住民3人が、アターリブ市では女性1人が死亡した。

シリア軍戦闘機およびヘリコプターもアレッポ市西部・南部郊外一帯を爆撃した。

また、SANAによると、アレッポ市西部郊外での戦闘を取材していたイランのアーラム・チャンネルの女性特派員1人とカウサル・チャンネルのカメラマン1人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、アンカラーティー村、カフルバッティーフ村、ダーディーフ村を制圧した。

カフルバッティーフ村については、シリア人権監視団が1日にシリア軍によって制圧されたと発表していた。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、シャームか一法機構はアレッポ市南部郊外での戦闘でシリア軍の最新鋭戦車T90を捕獲した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市、カフルバッティーフ村一帯、ダーディーフ村を爆撃した。

シリア軍戦闘機も、マストゥーマ村、アルバイーン山、ザーウィヤ山各所、サラーキブ市およびその一帯、ビンニシュ市近郊、M4高速道路沿線を爆撃し、ヘリコプターもサルミーン市を「樽爆弾」で爆撃した。

この爆撃で、マストゥーマ村では住民1人が、ビンニシュ市近郊では子ども1人が、サルミーン市では子ども4人と女性3人を含む8人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で、医師が何者かによって撃たれて死亡した。

またシャジャラ町でも、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団戦闘員1人が何者かに撃たれて死亡した。

さらに、ナーフィア村でも1人が何者かによって撃たれて死亡した。

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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユーリ・ボレンコフ・センター長(中将)は声明を出し、同基地を攻撃しようとした無人航空機複数機を撃破したと発表した。

無人航空機はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県から飛来してきたという。

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一連の戦闘で、シリア軍兵士26人、反体制武装集団戦闘員47人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県6件、ラタキア県16件、アレッポ県2件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 2, 2020、ANHA, February 2, 2020、AP, February 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2020、Reuters, February 2, 2020、SANA, February 2, 2020、SOHR, February 2, 2020、UPI, February 2, 2020などをもとに作成。

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