シリア軍はアレッポ市西の複数町村を新たに制圧、同市北西の反体制派支配地の包囲をめざす(2020年2月15日)

アレッポ県では、SANA(2月15日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構や国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、アウラム・クブラー町、カフルナーハー村、ラドワーン協会地区、アージル村、ウワイジル村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍は反体制武装集団の撤退を受けて同地を制圧したほか、サアディーヤ村、電力協会地区、警察学校地区も制圧した。

一方、ロシア軍戦闘機はカフルハムラ村、アナダーン市、ハイヤーン町、フライターン市を爆撃、シリア軍も、トルコ軍の監視所が設置されているシャイフ・アキール山への攻勢を強めた。

シリア・ロシア軍は、カフルハムラ村、アナダーン市、ハイヤーン町、フライターン市、バヤーヌーン町などアレッポ市北西に突出している反体制派の支配地の包囲・制圧をめざしているという。

ANHA(2月15日付)によると、これに対して、トルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(国民解放戦線、シャーム解放機構などのこと)がシーラーワー町近郊のバーシャムリー村を砲撃し、住民2人が負傷した。

バーシャムリー村は、シーア派(12イマーム派)の宗徒が暮らすシリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町の南、アレッポ市北西の反体制派支配地域の北端に位置しており、同地での包囲戦における要衝。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた、ダーラト・イッザ市東の第111中隊基地、イドリブ県との県境に位置するタルマーニーン村に新たな拠点を設置した。

このほか、SANAによると、シリア軍は工兵部隊がM5高速道路での地雷、爆発物、瓦礫の撤去作業を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とシャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室がシャイフ・ダーミス村一帯で交戦、「決戦」作戦司令室がナイラブ村などのシリア軍の拠点を砲撃した。

一方、シリア軍は、タッル・カラーマ村近郊にある国内避難民(IDPs)のキャンプを砲撃し、1人が死亡した。

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シリア人権監視団によると、一連の先頭でシリア軍兵士21人と反体制武装集団戦闘員28人が死亡した。

これにより、1月24日以降の戦闘での死者は、シリア軍兵士542人(うち「イランの民兵」10人)、反体制武装集団戦闘員605人となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県4件、ラタキア県6件、アレッポ県5件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(イドリブ県10件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 15, 2020、ANHA, February 15, 2020、AP, February 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 15, 2020、Reuters, February 15, 2020、SANA, February 15, 2020、SOHR, February 15, 2020、UPI, February 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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