反体制派がシリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点を攻撃(2020年2月19日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点に向けてミサイル4発を打ち込んだのに対して、防空部隊(所属不明)がこれを迎撃した。

ミサイル攻撃による被害は不明だという。

これに関して、SANA(2月19日付)は、シリア軍防空部隊がラタキア県のフマイミーム航空基地に近いジャブラ市に向かって飛来してきた「武装テロ集団」の無人航空機複数機を撃墜したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ジスル・シュグール市、マルアンド村、ナージヤ村、ビダーマー町、バルナース村、サッラト・ズフール村を激しく砲撃した。

SANA(2月19日付)によると、シリア軍はまた、ダイル・サンバル村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ラカーヤー村一帯にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃、これを破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍は、トルコ軍の拠点が設置されているマアーッラト・ナアサーン村、クマイナース村のほか、ムハムバル村、マンタフ村、ダイル・サンバル村、ラカーヤー村一帯、M4高速道路沿線、アルバイーン山一帯、アリーハー市を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月19日付)によると、爆撃により、タルマーニーン村で2人が死亡した。

これに対して、トルコ軍とシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、サラーキブ市やナイラブ村のシリア軍拠点を砲撃した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約80輌からなる増援部隊をカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所を経由してシリア領内に派遣し、ラタキア県との県境に位置するナビー・アイユーブ丘(峰)、ザーウィヤ山地方のバザーブール村、M4高速道路沿線のブサンクール村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍の監視所・拠点は以下38カ所となった。

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市(南)ラーシディーン地区、アイス村(アイス丘)、ハマー県ムーリク市、シール・マガール村、ラタキア県ザイトゥーナ村

その後に設置された監視所:アレッポ県アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ハマー県ムガイル村。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ガーブ平原各所を激しく砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、トルコ軍の拠点が設置されているカフル・ヌーラーン村、アターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯のほか、バーラー村、サッハーラ村、タカード村を爆撃した。

一方、SANA(2月19日付)によると、シリア軍がアターリブ市、カフル・ヌーラーン村、ダーラト・イッザ市一帯、バーラー村一帯、サッハーラ村、タカード村にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃した。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

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