シリアのアル=カーイダが主導する反体制派はトルコの支援を受けてサラーキブ市近郊のトルコ軍拠点4カ所を解囲、同市を三方から包囲(2020年2月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けてM4高速道路沿線での東進を続け、サラーキブ市近郊のダーディーフ村、カフルバッティーフ村、ジャウバース村を新たに奪還した。

これにより「決戦」作戦司令室は、サラーキブ市近郊に設置されていたトルコ軍の拠点4カ所を解囲するとともに、同市を三方から包囲することに成功した。

一方、「決戦」作戦司令室は、サラーキブ市を制圧したと発表した。

これに対して、SANA(2月27日付)は、シリア軍がサラーキブ市一帯で進軍を続ける「決戦」作戦司令室と交戦したと報じた。

SANAによると、「決戦」作戦司令室がトルコ軍の砲撃支援を受けるなか、特攻戦闘員数十人が自爆攻撃を行う一方、シリア軍はこれに集中砲火を浴びせるなどして応戦した。

また、シリア軍消息筋によると、トルコから直接支援を受ける「テロリスト」がイドリブ県サラーキブ市一帯での戦闘で、シリア・ロシア軍航空機に対して米国製の携帯式ミサイルを使用しているという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機はイドリブ市一帯を爆撃し、カフルナブル市から避難してきた国内避難民(IDPs)の子ども1人が死亡、またシリア軍戦闘機もシャラフ村を爆撃し、女性3人と子ども1人が死亡した。

さらにシリア軍地上部隊は、イドリブ市、ビンニシュ市を砲撃し、イドリブ市では女性1人と子ども2人を含む4人が、ビンニシュ市では2人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県9件、ラタキア県10件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を29件(イドリブ県21件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県2件)確認した。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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