英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(5日深夜)してから5日目となる3月10日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイシュタブリク村を砲撃した。
一方、トルコ軍は戦車、装甲車など約100輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させた。
しかし、RIA・ノーヴォスチ通信(3月10日付)は、ロシア軍筋の話として、5日の首脳会談での停戦合意に従い、トルコ政府がイドリブ県内の監視所から重火器の撤退を漸進的に開始したと伝えた。
このほか、ファイルーン村近郊の国民解放戦線(シリア国民軍)の拠点複数カ所が武装集団の襲撃を受け、ロケット弾をはじめとする武器弾薬、車輌1輌が盗まれた。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサルマーニーヤ村を砲撃した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルタアール村一帯で、シリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦した。
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ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、フサーム・ルーカー少将(政治治安局長)がダルアー県のジャースィム市で、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団戦闘員に対して、所持している武器の引き渡しを要請、拒否した場合はシリア北部に追放すると脅迫していると伝えた。
AFP, March 10, 2020、ANHA, March 10, 2020、AP, March 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2020、Reuters, March 10, 2020、 RIA Novosti, March 10, 2020、SANA, March 10, 2020、SOHR, March 10, 2020、UPI, March 10, 2020などをもとに作成。
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