米政府高官は『ハヤート』(1月28日付)に、ジハード主義者による対トルコ国境の自由シリア軍参謀委員会武器庫制圧(2013年12月末)を受けて凍結していたシリアの反体制勢力への非殺傷兵器などの支援再開を米国が決定したことを明らかにした。
これに関して、ロイター通信(1月28日付)は、米議会がシリアの反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を「秘密裏」に承認したと報じた。
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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の直接会合を開催した。
前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。
3日目となる会合では、移行期統治機関(移行期政府)の樹立についての審議が行われる予定だったが、『ハヤート』(1月28日付)などによると、「テロとの戦い」を最優先議題にするよう求める政府代表団と、アサド政権の退陣を前提として移行期統治機関を審議するよう主張する連立代表団の対立は解消せず、ブラーヒーミー共同特別代表は議事を打ち切った。
会合で政府代表団は5項目からなる政治声明を文書で提出した。
SANA(1月27日付)によると、声明では、「主権尊重、領土保全、侵略された領土に対する譲歩拒否と回復のための行動」、「シリア内政への直接、間接的なあらゆる外国の干渉の拒否」、「シリア・アラブ共和国は政治的多元主義、法の支配、司法の独立、市民権尊重、国民統合維持、文化的多元性尊重を基礎とする民主国家である」、「テロを拒否し、テロと戦い、あらゆる過激主義、ワッハーブ主義的タクフィール思想を拒否し、武器供与、軍事教練…、煽動放送を阻止する」といった点が訴えられていた。
しかし、シリア革命反体制勢力国民連立はこの政治声明を聞くやただちに拒否し、会場から退出、会談は打ち切りとなった。
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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は3日目の直接会合に関して、記者会見で「残念ながら、発砲停止にも、暴力を軽減することにも合意できなかった」と述べた。
しかしブラーヒーミー共同特別代表は「我々は、戦争終結と新生シリアの建設に向けたジュネーブの計画を実行しようとしているが…、奇跡が起きるとは期待しておらず…、前進の可能性を探って活動を続ける…。ここでの交渉で何かがもたらされるよう試みる」と付言し、会合継続の意思を示した。
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マフムード・ズウビー情報大臣は3日目の直接会談に関して、記者団に対して、反体制勢力を名乗るシリア革命反体制勢力国民連立が、国民主権、政治的多元主義、民主主義を謳った政治声明を拒否したと述べたうえで、「ジュネーブ合意へのあからさまな拒否だ」と批判した。
ズウビー情報大臣は「シリア・アラブ共和国の主権、領土保全に関してシリア人と意見を異にすることが想像できようか? 意見を異にするのがシリア人でなく、例えばイスラエル人ならともかく」と述べた。
ズウビー情報大臣はまた「テロ根絶やテロとの戦いを拒否し…、周辺諸国がテロの温床になることを拒否する人間がシリアにいるなどと想像できるのか? サウジ人、トルコ人、カタール人、イスラエル人、ないしはシリアに陰謀を働こうとする人間ならともかく」と述べた。
そのうえで「シリア政府代表団は胸襟を開いて政治問題を議論し、新しい発想や方法、深淵な解釈を提示することで政治プロセスを成功裏に開始したいとの意思を持っているが、彼らはこのプロセスをそもそも欲していない」と非難した。
一方、ヒムス市旧市街への人道支援物資配給に関しては、「我々がジュネーブ2会議に出席していること、ないしは出席しないこととは無関係だ」と述べ、シリア政府が一貫して人道支援を行っていると主張した。
またヒムス市旧市街からの女性、子供の退去に関して「国家は、子供や女性を逮捕はしない…。女性が武器を手に取ったり、戦闘・虐殺に参加していなければ」と述べた。
最後にズウビー情報大臣は「ジュネーブに滞在する代表団は今後も滞在し、愛国心とシリアへの信仰心に基づき行動する」と締めくくった。
ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣も「交渉のテーブルから決して去ることはない」と述べた。
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シリア革命反体制勢力国民連立の代表団を率いるハーディー・バフラ氏は「シリア政府の声明は、移行期政府樹立を中心に据えているジュネーブの枠組を外れている。それゆえ主要な議題を審議できなかった」と述べた。
一方、リーマー・フライハーン氏は「交渉は、議事を改悪しようとする政府代表団の論理ゆえに建設的に進まなかった。会合ではジュネーブ合意の実施、すなわち全権を有する移行期統治機関樹立を検討することが決まっていたのに、政府代表団はテロを審議するため議事を変えようとした…。彼らはバッシャール・アサドの存在を確かなものにしようとするためにだけここに来ており、大会開催の直接の理由とは無関係の問題を審議しようとしている」と非難した。
しかし「私たちは前向きで、移行期統治機関樹立という目標を実現するまでここにとどまるでしょう」と強調した。
シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官もアサド政権の代表団との交渉は、何らの進展がないもの続いている。しかし、政府代表団はジュネーブ合意に関する交渉から逸脱しようと試みている」と批判した。
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赤十字国際委員会のロバート・マールディーニー氏(中東担当)はAFP(1月27日付)に、1月27日正午段階で、ヒムス市旧市街の女性・子供の退去に関するいかなる具体的な措置もとられていないとしたうえで、シリア政府が同地への人道支援の配給を遅らせていると非難した。
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『ハアレツ』(1月28日付)などは、イスラエル軍がラタキア県の航空基地を26日に爆撃したとレバノンのメディアなどが報じていると伝えた。
イスラエル政府および軍は、攻撃の有無について何らの発表も出しておらず、また米政府によるリークもなされていない。
また『ハヤート』(1月28日付)によると、シリア消息筋は、ラタキア県で爆撃があったとされるいかなる爆発音も聞こえなかったと述べ、イスラエル軍による爆撃を否定している、という。
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シリアで化学兵器の廃棄作業を進めている化学兵器禁止機関と国連の合同派遣団は声明を出し、化学物質が積み込まれたデンマークとノルウェーの貨物船がラタキア港を出港し、シリア国内から公海上への化学物質の搬出作業第二弾が完了したと発表した。
AFP(1月27日付)が伝えた。
AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、Haaretz, January 28, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014, January 28, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。
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