ニザール・ヤーズジー保健大臣は保健省で記者会見を行い、各地の病院や医療施設に新型コロナウイルス感染者看護用のベッド25,000床を確保したと発表する一方、9年に及ぶ欧米諸国、アラブ湾岸諸国、トルコの制裁によって、感染拡大への対応が困難を極めており、医療現場でのニーズに対応するため、中国側と連絡を取り続けていることを明らかにした。
感染確認のための検査所については、ヒムス県、アレッポ県、ラタキア県にそれぞれ1カ所を新設、1日約100件の検査を行っていたダマスカス県の検査所と合わせて、1日200~300件の検査が可能となったことを明らかにした。
ヤーズジー保健大臣はまた「シリアで感染者が少ないというだけで安心することはできない」としたうえで、シリアへの違法な帰国が続いており、そのことが感染者拡大に繋がりかねないと警鐘を鳴らすとともに、帰国者に対しては自宅で自主隔離を行うよう呼びかけた。
一方、世界保健機構(WHO)がシリアへの巡礼観光に伴う感染拡大を懸念していることに関して、ヤーズジー保健大臣は、この懸念に理解を示したうえで、3週間前から観光を中止することで対策を講じていると付言した。
各県の隔離施設については、ホテル、大学寮、慈善団体施設などに450部屋を確保しているほか、宗教関係省が必要に応じて施設を提供する態勢をとることを明らかにした。
治療法に関して、ヤーズディー保健大臣は今のところ特効薬はないとしつつ、各国での取り組みを踏まえて、シリア国内で生産されているクロロキン、アジスロマイシン、インターフェロンなどによる投薬治療を試みていることを明らかにした。
AFP, April 6, 2020、ANHA, April 6, 2020、AP, April 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 6, 2020、Reuters, April 6, 2020、SANA, April 6, 2020、SOHR, April 6, 2020、UPI, April 6, 2020などをもとに作成。
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