外務在外居住者省はシリア軍の化学兵器使用を断定したOPCWの報告書を非難、国際社会にこれを拒否するよう呼びかける(2020年4月9日)

外務在外居住者省は声明を出し、化学兵器禁止機関(OPCW)が4月8日に提出したシリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第1回報告書(技術事務局覚書S/1867/2020)に関して、誤解を招くもので、ねつ造された偽りの結論を含んでおり、その目的は事実を歪め、シリア政府に疑いをかけることにあると批判した。

外務在外居住者省の内容は以下の通り:

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OPCWは2020年4月8日付で、いわゆるIITなるチームの誤解を招くような報告書を発表したが、シリアを含む多くの国は、このチームが違法で信頼できないと表明したものだ。

この報告書は、ねつ造された偽りの結論を含んでおり、その目的は事実を歪め、シリア政府が2017年に(ハマー県)ラターミナ町で有毒ガスを使用したとの疑いをかけることにある。しかし、それは、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)のテロリストや「ホワイト・ヘルメット」を名乗るテロリストが用意し、ねつ造した情報源に依拠しており、彼らの使用人である米国、トルコ、そして周知の西側諸国の指示を実施し、OPCWの活動指針を完全に無視し、もっとも基本的な調査の原則と公平性にあからさまに反している。

シリア・アラブ共和国はもっとも厳しい表現で、違法ないわゆるIITの報告書の内容を非難し、その文言、内容の一切を拒否する。同時に、シリアは、ラターミナ町、あるいはシリア国内のそれ以外の都市や村で有毒ガスの使用したことを断固として否定する。シリア・アラブ軍は高い道徳を有しており、武装テロ組織に対するもっとも困難な闘いのなかであってもこうした兵器は使用しないと明言する。

いわゆるIITが報告書のなかでいたった結論は、シリアが多くの国とともにこうしたチームを拒否した理由を揺るぎないものとする。それがOPCWの活動を政治利用し、周知の諸外国の目的に奉仕する演壇へと変貌させる道具であるとことは前から分かっていた。

シリアは、OPCWの担当者に対して、シリアと多くの国が、この報告書の発表に先立って、2020年のNGO第93回執行理事会の議事に際して、米国と一部加盟国からの圧力や脅迫を受けてきたと述べてきた。また、米国の外交官は今年初めから、OPCW技術事務局の権限を露骨に奪って、この報告書を挑発的なまでに喧伝してきた。米国は、この報告書の結論を支持するよう、加盟国に対してありとあらゆる恐喝を行った。これは、この報告書が、米国や西側の諜報機関によって、あるいはその指示を受けてあらかじめ準備・執筆されていたことを示すものだ。報告書の結論がシリア、そして勇敢なるその軍に狙いを定めていたことは分かっていた。

この報告書の結論は、OPCWと事実調査団(FFM)の新たなスキャンダルであり、2018年の(ダマスカス郊外県)ドゥーマー市の事件の報告書をめぐるスキャンダルを上塗るするものだ。しかし、こうしたねつ造された主張と嫌疑は、主権、領土と国民の統合に対する合法的な自衛の一環としてのテロリズム、テロ組織、テロ支援者との戦いの継続を妨げるものではない。

シリアは国際社会にこの新たにねつ造された主張を拒否するとともに、OPCWが米国およびその同盟国の侵略的計画を実施するための道具、世界全体に代わってテロと戦うシリアとの政治的な損失を解消するための場に変貌したことに遺憾の意を示すよう呼びかけたい。

シリア・アラブ共和国は、いかなる相手、いかなる時、いかなる場所であれ化学兵器の使用を断固拒否し、過去に化学兵器を使用しておらず、今も使用することはあり得ないと改めて明言したい。なぜなら、シリアはそもそも化学兵器を保有しておらず、こうした有毒兵器の使用が法的・道義的な義務に違反していると考えるからである。

AFP, April 9, 2020、ANHA, April 9, 2020、AP, April 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 9, 2020、Reuters, April 9, 2020、SANA, April 9, 2020、SOHR, April 9, 2020、UPI, April 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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