イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)、イナブ・バラディー(4月26日付)、ザマーン・ワスル(4月26日付)、ANHA(4月26日付)、シリア人権監視団などによると、トルコ軍が早朝、ナイラブ村近郊のM4高速道路で続けられていた「尊厳の座り込み」デモを強制排除した。
デモは、ロシア・トルコ軍によるM4高速道路の合同パトロールに反対するため、3月13日に開始されていた。
トルコ軍と警察からなる大規模部隊は、装甲車、重機を伴い、ナイラブ村近郊の座り込み現場に入り、路上に積まれていた土嚢を撤去、催涙弾や放水でデモ参加者を排除しようとしたが、デモ参加者が投石を行うなどして抵抗したため、トルコ軍が実弾で応戦した。
トルコ軍の発砲により、シャーム解放機構のメンバー2人と同組織に自治を委託されている救国戦線の職員2人の合わせて4人が死亡した。
シリア人権監視団によると、トルコ軍は、デモ参加者が設営していたテントのほとんどを撤去した。
なお、トルコ軍は13日にも強制排除を試みていた。
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イナブ・バラディーが現地の複数の軍事筋の話として伝えたところによると、強制排除を受けて、武装集団がナイラブ村近郊でトルコ軍部隊を襲撃、対戦車ミサイルで重機、戦車、装甲車を狙い、被害を与えた。
ザマーン・ワスルによると、狙われたのはトルコ軍の戦車2輌。
イナブ・バラディーとザマーン・ワスルは攻撃を行った武装集団を特定せずに報じたが、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が主導する反体制武装集団が、ナイラブ村近郊に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を攻撃したと発表した。
なお、トルコ軍はヘリコプターを現地に派遣し、負傷した兵士を本国に移送した。
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トルコ軍部隊が襲撃されたのを受けて、トルコ軍はバイラクタルTB2無人航空機(ドローン)を投入し、対戦車ミサイルが発射された地点を爆撃、また地上部隊が砲撃を行い、シャーム解放機構と交戦した。
シリア人権監視団によると、バイラクタルTB2の爆撃はナイラブ村に対して行われ、シャーム解放機構の車輌が被弾、メンバー2人が殺害、3人が負傷した。
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一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(4月26日付)によると、ハザーヌー町近郊で、住民数十人が、トルコ軍による「尊厳の座り込み」強制排除で犠牲者が出たことへの対抗措置として、バーブ・ハワー国境通行所に至る道路を封鎖し、トルコ軍車輌の通行を妨害した。
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シリア人権監視団によると、その後、トルコの支援を受ける反体制武装集団がシャーム解放機構と会合を開き、トルコ軍との戦闘を収拾、座り込みデモを中止させた。
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しかし、シャーム解放機構のタキー・ディーン・ウマル広報関係局長はドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)に対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)による爆撃と事態収拾についての情報を否定した。
ウマル広報関係局長は、「我らがムジャーヒディーンがトルコ軍の無人航空機に狙われたというニュースが流れているが、このニュースは正しくない。また我々とトルコがマストゥーマ村で会合したとの情報も流れているが、これも正しくない」と述べた。
AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、‘Inab Baladi, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, April 26, 2010、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020、Zaman al-Wasl, April 26, 2020などをもとに作成。
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