ダマスカス県で外国の干渉拒否や政権の改革支持を訴える大規模集会が行われる、シリア国民評議会がアラブ連盟監視団の報告書を「真実を反映していない」として非難(2012年1月9日)

Contents

アサド政権の動き

『ザマーン・ワスル』(1月9日付)は、反体制活動に与したシリア開発基金職員を解雇してはならないとの決定をアスマー・アフラス大統領夫人が下した、と報じた。

シリア開発基金はシリア国内最大のNGOでアスマー婦人が名誉会長を務める。

massar.symassar.sy

massar.sy

 **

SANA(1月9日付)によると、ダマスカス県サブウ・バフラート広場で、テロ反対、挙国一致、外国の干渉拒否、国民自決、アサド政権の改革支持を訴える大規模集会が開催され、多数の市民が参加したほか、ヨルダンの人民使節団もこれに加わった。

SANA, January 9, 2012SANA, January 9, 2012

SANA, January 9, 2012

SANA, January 9, 2012SANA, January 9, 2012

SANA, January 9, 2012

SANA, January 9, 2012SANA, January 9, 2012

SANA, January 9, 2012

**

SANA(1月9日付)は、ダマスカス県内のキリスト教聖十字架教会で1月6日のマイダーン地区での自爆テロ犠牲者の追悼ミサが行われたと報じ、キリスト教、イスラーム教の双方の法曹関係者多数が出席した。

**

アラブ連盟シリア代表のユースフ・アフマド大使は、連盟閣僚委員会会合後のカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外相の記者会見に関して、「シリアの危機に関する偏った事前の立場を反映しており、閣僚委員会議長の立場として相応しくない」とした。

反体制勢力の動き

クウェート日刊紙『スィヤーサ』(1月9日付)は、在カイロの調整諸委員会指導部メンバーの一人の話として、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ダイル・ザウル県などで反体制活動を行っている活動家の多くが、シリア国民評議会に代表される国外の反体制勢力の活動に与せず、また飛行禁止空域の設定などシリア情勢の安保理への付託に反対していると報じた。

**

シリア国民評議会執行委員会は、イスタンブールで会合を開き、ブルハーン・ガルユーン事務局長を事務局長に再任した。

事務局長の任期は6ヵ月だが、延長された任期は1ヵ月のみ。

またこれに合わせて、評議会報道官は、イスタンブール事務所の開設を発表した。

**

シリア国民評議会は声明を出し、アラブ連盟監視団の報告書を「連盟の努力を後退させ、真実を反映していない」と非難し、「犠牲者と死刑執行を同列に扱うかたちで武装当事者に言及することは、体制による野蛮な殺戮行為を助長するだろう」と述べた。

そのうえでアラブ連盟に対して政権に弾圧の猶予を与えず、シリア国民を保護するよう改めて求めた。

**

シリア革命総合委員会は声明を出し、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長およびアラブ諸国閣僚に対して「シリア国民の要求や正義を実現しない(アラブ連盟)イニシアチブの「弔報」を告げる」と非難の意を示し、国連安保理へのシリア問題への付託を呼びかけた。

**

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アラブ連盟監視団の報告書に関して、「犠牲と死刑執行を同じものとみなしている」としたうえで、「シリア政府の犯罪を隠蔽し、我らが国民への殺戮や我々の意思を破壊するためのさらなる時間と機会を政府に与えた」と厳しく非難した。

**

民主変革諸勢力国民調整委員会在外事務局のハイサム・マンナーア代表は『ハヤート』(1月10日付)の電話取材に対して、「シリア政府に圧力をかけ、アラブ連盟イニシアチブを履行させる」よう呼びかけた。

**

DPA(1月10日付)は、インターネット上に「新バアス党」なる組織が声明を出し、「新地域指導部を発足し、人民のインティファーダへの参加」を表明したと報じた。

同声明によると、「新バアス党」なる組織は2月初めに地域大会の開催をするとしている。

国内の暴力

シリア革命総合委員会によると、アラブ連盟閣僚委員会の声明や監視団の報告書に異議を唱えるデモが、ハマー県(カルナーズ町など)、ダマスカス郊外県、イドリブ県(カフルルーマー村など)、ダイル・ザウル県、ダルアー県の各地で行われ、数千人が参加したという。

諸外国の動き

サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王は閣議を招集し、シリア情勢について審議、シリア政府に対してアラブ連盟の議定書に記されたすべての誓約を即時かつ完全に履行するよう求めた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、記者会見で、シリアが「内戦、宗教間戦争」に陥りかねないと述べ、シリア国内の不安定を煽った。

**

ローマ法王ベネディクト16世は、駐バチカン大使に対する新年のあいさつのなかで、シリア情勢について触れ、「すべての政治当事者間で実りある対話」を行うよう呼びかけた。

AFP, January 9, 2012、DPA, January 9, 2012、al-Hayat, January 10, 2012、Kull-na Shuraka’, January 9, 2012、Reuters, January 9,
2012、SANA, January 9, 2012、al-Siyasa, January 9, 2012、Zaman al-Wasl, January 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts