ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は記者会見で、「ロシアはアサドと共謀し、シリア戦闘員に加えて、おそらくシリア以外の国の戦闘員を装備とともにリビアに派遣している…。戦場はますます複雑さを増している」と批判した。
一方、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が経営に深く関わっているシリアテルやMTNが追徴課税を課せられている問題に関して、次のように述べた。
シリア大統領とマフルーフの対立は、後者がシリア経済を支配していることを踏まえると重要な問題だ…。アサドに近いマフルーフは、シリアを50年にわたり支配しているアラウィー派におけるビッグ・プレーヤーだ。
この対立には2通りの解釈が可能だ。第1は、「最後のわら一本がラクダの背中を折る」というものだ。そうであって欲しい。しかし、実際にそうだったとは考えていない。一方第2は、シリア政府がシリア・ポンドの暴落で大きな経済的圧力に晒されていて、燃料や日常的な食糧品を確保するのが困難になっている、というものだ…。我々はまだ結論に達していないが、21世紀最悪の体制が汚点を暴露しているという点で、前例のない動きだと考えている。
マフルーフとの対立は特に重要だ。なぜなら、シリア政府が、自らの住み処を浄化し、マフルーフのような人物から(粛清を)始めようとすることで、ロシアからの圧力に対応しようとする努力を見て取れるからだ。また、ロシアがこうした人物を支援し、アサドがやっていることに懸念を示しているとのいう噂にも注目している。
AFP, May 8, 2020、ANHA, May 8, 2020、AP, May 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2020、Reuters, May 8, 2020、SANA, May 8, 2020、SOHR, May 8, 2020、UPI, May 8, 2020などをもとに作成。
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